初受賞の嘉風は、大相撲の冬巡業で九州に滞在中。朗報を聞くと「なかなかいただける賞ではないので、大変うれしく思っています」と声を弾ませた。
33歳となった2015年は飛躍の1年だった。夏~秋場所まで史上5人目となる平幕で3場所連続2ケタ勝利。特に秋場所ではV35の大横綱・白鵬から初金星を挙げるなど2横綱2大関2関脇を撃破して11勝をマークした。“嘉風旋風”を巻き起こし、殊勲と敢闘のダブル受賞に輝いた。
大分・佐伯市出身。ご当地となった九州場所では、9場所ぶりに小結へ返り咲き。横綱・鶴竜、大関・稀勢の里を撃破する活躍を見せ、3場所連続の三賞を獲得した。「成績はもちろんだけど、いい内容の相撲が多かったので充実感があった。今までで一番いい1年になった」と満足の年になったようだ。
ベテランの域に入りながら、なおも進化を続ける嘉風。最高の1年が終わりを迎え、新たな年が幕を開けようとしている。「またこのような賞をいただけるように、結果も内容も充実した年にしたい」とさらなる飛躍を誓った。
◆嘉風雅継(よしかぜ・まさつぐ) 本名・大西雅継。1982年3月19日、大分・佐伯市生まれ。33歳。中津工高―日体大。3年で全日本選手権を制し、アマ横綱に。2004年初場所で初土俵。05年名古屋場所、新十両。06年初場所、新入幕。14年夏場所、新小結。殊勲賞1回、敢闘賞4回、技能賞2回。金星4。177センチ、148キロ。得意は突き、押し。家族は愛夫人と1男1女。