吉報に表情が緩んだ。リハビリを行っている福岡・西戸崎練習場。報知プロスポーツ大賞受賞の知らせを受けた柳田は「これまで偉大な選手たちが受賞してきた名誉ある賞を頂けて大変光栄です。この賞に恥じぬよう、来季も努力を積み重ねて、今季以上の成績を残せるようにしたいと思います」と喜びの言葉を並べた。
今季の球界の主役だった。打率3割6分3厘、34本塁打、99打点、32盗塁。ヤクルト山田とともに、2人同時にトリプルスリーを達成し、これまでにパ・リーグMVP、首位打者、最高出塁率、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞など数々のタイトル、表彰を総なめにしてきた。「トリプルスリー」は流行語大賞にも輝いた。数々の賞とともに、報知プロスポーツ大賞も文句なしの受賞だ。
11月29日には約2年間交際していた一般女性との結婚を発表。来春、開幕前後には第1子も生まれてくる予定だ。15年は公私ともに充実の一年だった。次に目指すは、プロ野球史上初、40本塁打40盗塁の「40―40」の偉業だ。「トリプルスリーの上を目指さないといけない」。超人ギータの視線は、次なる獲物へと向いている。
◆柳田悠岐(やなぎた・ゆうき) 1988年10月9日、広島市出身。27歳。広島商では甲子園出場なし。広島経大を経て、2010年ドラフト2位でソフトバンク入団。今季は打率3割6分3厘、34本塁打、99打点、32盗塁でトリプルスリーを達成するとともに首位打者、最高出塁率のタイトルも初めて獲得。今季のパ・リーグMVP。188センチ、92キロ。右投左打。今季年俸は9000万円。