ステージ上でも司会者からポーズを要請されたが「勘弁してください。本土俵の上で真剣勝負だからできるんです」と言い、過去に土俵で右ひざじん帯を断裂した恐怖心を断ち切るための儀式であることを真剣に説明。余興として安売りしてウケを取るのではなく、まじめに説明する人柄が逆に観客の心を打った。
「一番一番、一生懸命頑張って、人に喜んでもらえる相撲を取りたい」と誓った。会場を後にするときも「何でオレが」と首をかしげていたが、謙そんしてばかりいられない立場となった。過去の受賞者全員が達成している大関取りが課せられたのだから。
◆高見盛精彦(たかみさかり・せいけん) 本名・加藤精彦。1976年5月12日、青森・板柳町生まれ。27歳。東関部屋。日大4年でアマ横綱となり、幕下最下位格付け出しで99年春に初土俵。2000年初、新十両。同年名古屋、新入幕。最高位・小結。得意は右四つ、寄り。188センチ、136キロ。独身。