【2003年】特別功労賞 星野仙一

阪神・星野SD(右)はまな弟子の今岡と握手して喜び合う 阪神・星野SD(右)はまな弟子の今岡と握手して喜び合う
 今年のプロスポーツ界を沸かせた豪華な顔が、ズラリと並んだ。角界をにぎわせたロボコップこと高見盛がいる。プロボクシング界からは日本のジム所属としては史上3位、世界タイトルを7度防衛したWBC世界スーパーフライ級王者、徳山昌守。2年連続の栄誉を手にしてやってきた。紅一点は前人未到の年間10勝を挙げ、4年連続賞金女王の不動裕理だ。激闘の日本シリーズでプロ野球ファンの目をくぎ付けにした城島健司(ダイエー)、今岡誠(阪神)の晴れやかな表情。が、そんなきらめくスターたちの中でも大きな光を放った男がいた。星野仙一前阪神監督(現オーナー付シニアディレクター=SD)だ。

 会場に到着すると、おずおずと近づいてきた高見盛に「よろしくお願いします」と大きな体を折ってあいさつされた。徳山にはプロの先輩としてゲキを飛ばした。阪神ファンで、これまで何度も顔を合わせている徳山が「来春3日にはタイトルマッチがあります。新年早々負けると、その年1年が暗くなりますから、何としても勝ちたいです」と言うと「勝ちたいんやなくて、何が何でも勝たないかん」。強烈なハッパに世界チャンプの背筋がピーンと伸びた。

 石黒尭・読売新聞東京本社取締役事業局長から、トロフィーを受けとった後の受賞のあいさつでは「あまり表彰されたことがない男ですが、今年は選手、ファンのお陰でたくさん表彰され、いい1年でした」と話した。星野SDだけではない。どの顔も誇りと自信に満ちあふれていたのは、今年が受賞者にとって最高の1年になったからだ。

 「来年もダイエーの選手が呼ばれるように頑張る」と城島が言えば、今岡は「100点満点に近いシーズン」と今季を振り返った。不動は「来年は、今年の活躍に近づけるように頑張りたい」と抱負。特別賞の西村は「今思えば、最後の一投がストライクでよかった。みなさんにお会いすることができましたから」と感激の表情を見せた。日本全体を覆う暗いムードを吹き飛ばした受賞者たちの活躍。2003年を代表するプロアスリートたちの顔は、最後まで光り輝いていた。

 ◆星野仙一(ほしの・せんいち) 1947年1月22日、岡山・倉敷市生まれ。56歳。倉敷商から明大を経て、68年のドラフト1位指名で中日に入団。82年に現役を引退するまで通算500試合に登板。146勝121敗34セーブ。87年に中日の監督に就任し、88年にリーグ優勝。96年から2度目の中日監督の座に就き、99年にリーグV。2001年限りで勇退したが、その年で辞任した野村監督の後を受けて、阪神監督に就任。今年、チームを18年ぶりのリーグ優勝に導いたが、電撃退団した。

◆2003年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 今岡誠 阪神 29
野球(パ・リーグ) 城島健司 ダイエー 27
男子ゴルフ 伊沢利光 ANA 35
女子ゴルフ 不動裕理 フリー 27 3年ぶり2度目
大相撲 高見盛精彦 東関 27
ボクシング 徳山昌守 金沢 29 2年連続2度目
Jリーグ 大久保嘉人 C大阪 21
特別功労賞 星野仙一 前阪神監督 56 -
特別賞 西村了 ボウルメート京橋 34 -

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