改めて、日本プロボクシング界を背負う責任を実感した。「長嶋監督にも『この賞を2年連続で取るのはすごいこと。頑張って』と励まされた。連続受賞はダテじゃないって試合にしたい」と気を引き締めた。2年連続受賞したボクサーには、具志堅用高、渡辺二郎、鬼塚勝也、川島郭志、辰吉丈一郎と、そうそうたる名前が並んでいる。
周りをあ然とさせたのは、目の前に出されたサンドイッチやパスタをぺろりと平らげたこと。試合を1週間後に控えたボクサーでは考えられないが、同席した仁淑夫人(29)は「いつもお昼はこれぐらい食べるから」と優しく見守った。この時期にこれだけ食べられるということは、調整がうまくいっている証拠だ。昨年12月25日の結婚から1年。「苦労かけっぱなしだったんで賞金で嫁孝行しようかな」2月には念願だった「さっぽろ雪まつり」に2人で出かける予定だ。
来年の最大目標はWBA世界スーパーフライ級王者アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)との統一戦。ムニョスは同じ1月3日に金沢ジムの後輩で同級14位小島英次の挑戦を受ける。両王者が防衛に成功すれば、両陣営では統一戦の計画を具体的に進める。「有言実行がモットーですから」とニヤリ。夢実現のため、まずは「V8」の公約を果たす。
◆徳山昌守(とくやま・まさもり) 1974年9月17日、東京・大田区生まれ。29歳。国籍は北朝鮮で本名は洪昌守(ホン・チャンス)。東京朝鮮高でボクシングを始め、卒業後の94年9月にグリーンツダジムからプロデビュー。96年2月、金沢ジムに移籍。2000年8月、WBC世界スーパーフライ級王座獲得。身長170センチの右ボクサー。戦績は29勝(8KO)2敗1分け。