【2003年】ボクシング 徳山昌守

2年連続で大賞に輝いた徳山と崔仁淑夫人は笑顔でVサイン(右) 2年連続で大賞に輝いた徳山と崔仁淑夫人は笑顔でVサイン(右)
 2年連続受賞となった徳山は、差し出されたサイン色紙に力強く「V8」と書き込んだ。6月にWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで川嶋勝重(大橋)を判定に下し、史上3位の7連続防衛を達成。来年1月3日には最強の挑戦者・同級1位ディミトリー・キリロフ(ロシア)と8度目の防衛戦(大阪市中央体育館)を行うが「大差の判定で勝つ」と自信を見せた。

 改めて、日本プロボクシング界を背負う責任を実感した。「長嶋監督にも『この賞を2年連続で取るのはすごいこと。頑張って』と励まされた。連続受賞はダテじゃないって試合にしたい」と気を引き締めた。2年連続受賞したボクサーには、具志堅用高、渡辺二郎、鬼塚勝也、川島郭志、辰吉丈一郎と、そうそうたる名前が並んでいる。

 周りをあ然とさせたのは、目の前に出されたサンドイッチやパスタをぺろりと平らげたこと。試合を1週間後に控えたボクサーでは考えられないが、同席した仁淑夫人(29)は「いつもお昼はこれぐらい食べるから」と優しく見守った。この時期にこれだけ食べられるということは、調整がうまくいっている証拠だ。昨年12月25日の結婚から1年。「苦労かけっぱなしだったんで賞金で嫁孝行しようかな」2月には念願だった「さっぽろ雪まつり」に2人で出かける予定だ。

 来年の最大目標はWBA世界スーパーフライ級王者アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)との統一戦。ムニョスは同じ1月3日に金沢ジムの後輩で同級14位小島英次の挑戦を受ける。両王者が防衛に成功すれば、両陣営では統一戦の計画を具体的に進める。「有言実行がモットーですから」とニヤリ。夢実現のため、まずは「V8」の公約を果たす。

 ◆徳山昌守(とくやま・まさもり) 1974年9月17日、東京・大田区生まれ。29歳。国籍は北朝鮮で本名は洪昌守(ホン・チャンス)。東京朝鮮高でボクシングを始め、卒業後の94年9月にグリーンツダジムからプロデビュー。96年2月、金沢ジムに移籍。2000年8月、WBC世界スーパーフライ級王座獲得。身長170センチの右ボクサー。戦績は29勝(8KO)2敗1分け。

◆2003年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 今岡誠 阪神 29
野球(パ・リーグ) 城島健司 ダイエー 27
男子ゴルフ 伊沢利光 ANA 35
女子ゴルフ 不動裕理 フリー 27 3年ぶり2度目
大相撲 高見盛精彦 東関 27
ボクシング 徳山昌守 金沢 29 2年連続2度目
Jリーグ 大久保嘉人 C大阪 21
特別功労賞 星野仙一 前阪神監督 56 -
特別賞 西村了 ボウルメート京橋 34 -

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