27日に天皇杯準決勝、鹿島戦(長居)を控えるため欠席した大久保に代わって大賞を受け取ったC大阪の藤井純一社長(54)が26日、大久保の来季中の海外移籍の封印を明言した。「来年1年はチームに残したい。海外移籍は日本代表や五輪代表で実績をつくってからです」と話した。
今年、国際Aマッチデビューを飾った大久保は代表に定着。Jリーグでも日本人選手最多の16点を挙げたことがファンに評価され、今回の初受賞となった。海外移籍を見すえ、マネジメント会社にも所属。しかし、藤井社長は代表戦で、いまだ無得点という状況を指摘。海外クラブからは非公式なオファーはあるが、まだ正式なものは届いていない現状もある。契約も2005年まで残っており、来季限りは海外移籍をさせない意向を示した。
C大阪は過去に攻撃の核であるFW西沢明訓(27)の海外移籍を許し、J2落ちした経験がある。「あの時は何とかなるだろうという思いもあった。大久保の場合は出せるタイミングも見極めたい。彼に合うリーグも十分検討したい」と藤井社長。来年はW杯アジア1次予選が始まり、アテネ五輪もある。名実ともに日本のエースとなったとき、大久保の夢が実現する。
◆大久保嘉人(おおくぼ・よしと) 1982年6月9日、福岡・苅田(かんだ)町生まれ。21歳。南原小1年でサッカーを始め、国見高3年時にはエースとして総体、国体、選手権の3冠を達成。総体、選手権では得点王に輝いた。2001年C大阪に入団。今季は24試合16得点で日本人では横浜Mの久保竜彦(27)と並んでトップタイ。今年は日本代表にも選ばれ14試合に出場。家族は両親と姉、妹。168センチ、61キロ。