今年初場所、幕下15枚格でデビュー。秋場所に昭和以降2位タイのスピードの初土俵から4場所新入幕を果たすと、その場所で13勝をマーク。横綱・白鵬(29)=宮城野=と千秋楽まで優勝争いを演じ、100年ぶりの新入幕Vまであと一歩まで迫った。昭和以降最速となる所要5場所で関脇まで駆け上がった1年。「早かったですね。夢の中にいるみたいだった」
15年は大関昇進を期待する声も大きい。「将来は横綱だけど、その前は考えていない。一日一日頑張っていけばいい」と、まだ成長を続ける21歳に焦りはない。「来年もいい年になれば」。夢の頂上を目指して階段を上っていく。
◆逸ノ城駿(いちのじょう・たかし) 本名・アルタンホヤグ・イチンノロブ。1993年4月7日、モンゴル・アルハンガイ県生まれ。21歳。13歳でモンゴル相撲を始め、2010年、鳥取城北高に留学。5個の個人タイトルを獲得し、卒業後は同校相撲部でコーチを務め、13年全日本実業団制覇。14年初場所で幕下15枚目格付け出しで初土俵、夏に新十両、秋に新入幕。192センチ、199キロ。家族は両親と妹、弟。