二刀流2年目で、進化を遂げた。今季、投手としては1年間ローテーションを守り、昨季3勝からチーム最多の11勝(4敗)を挙げるまでに成長。防御率はリーグ3位の2・61をマークし、球速は日本人最速タイの162キロを計測した。打者としては10本塁打をマークし、日本人では初、メジャーでも1918年のベーブ・ルース以来となる「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」の偉業を成し遂げた。
ただ、満足はしていない。今季の成績についての自己評価は「50%くらい」と不満顔だ。「納得できる数字ではない」。すでに来季の3大公約として「開幕投手」「15勝以上」「11本塁打以上」を掲げた。チームを背負って立つ覚悟はできている。
報知プロスポーツ大賞では、他のスポーツ界の一流選手と対面する。「授賞式ではアスリートの方々とお会いするのを楽しみにしています」。他競技のアスリートの思考法やトレーニングの仕方などを積極的に学び、自身の糧にしていくつもりだ。
来季、チームは3年ぶりリーグ優勝、9年ぶりの日本一に向けて戦う。命運は、背番号11にかかっている。「この賞に恥じないよう、責任と自覚を持ってこれからもプロ野球界で頑張ります」。二刀流3年目も、球界の常識を覆すような結果を残すつもりだ。
◆大谷翔平(おおたに・しょうへい) 1994年7月5日、岩手・水沢市(現奥州市)生まれ。20歳。花巻東では2年夏、3年春に甲子園出場。3年夏の岩手県大会準決勝で高校生史上初の160キロを計測も決勝で敗退。12年ドラフト1位で日本ハム入団。プロ通算2年間で投手では37試合に登板し14勝4敗、防御率3・07。野手では164試合に出場し、打率2割5分7厘、13本塁打、51打点。193センチ、90キロ。右投左打。来季年俸は1億円。