【2014年】野球(セ・リーグ) 菅野智之

開幕を任されるなどエースに成長、プロスポーツ大賞に輝いた菅野 開幕を任されるなどエースに成長、プロスポーツ大賞に輝いた菅野
 吉報に胸が高鳴った。チームの優勝旅行先、米ハワイに先乗りして自主トレ中の菅野。報知プロスポーツ大賞受賞に、「選んでいただいて光栄です。今年はけがで2度、離脱してしまった。来年は1年間ローテを守り、すべての面で今年の成績を上回って日本一に貢献できるようにしたいです」と力強く言い切った。

 常夏の島には、もう一つの朗報も届いた。8日のIOC臨時総会での決定を受け、2020年東京五輪での野球・ソフトボール復活に大きく前進。08年の北京五輪を最後に正式種目から除外されていただけに、菅野にとって新たな目標ができた。「6年後は31歳。出られたらいいですし、出られるように頑張っていきたい」と声を弾ませた。

 東海大時代から大学日本代表のエースとして活躍。開幕前には千葉でバリ島在住の少年少女に野球教室を実施。「野球は世界であまり知られていない。その結果、五輪から外れてしまった。復活させるという目標があるので、少しでも力になりたい」と決意を語っていた。

 2年目の今季は、初めて開幕投手を務め、6連勝スタート。8月に右手中指を痛めて1か月離脱、10月に右肘を痛めてCS最終Sを欠場したが、先発の柱としてフル回転してチームトップの12勝を挙げた。「まだまだ満足していません」と言うが、2位に大差をつけたMVP同様、報知プロスポーツ大賞も文句なしの受賞だった。

 来季に向け、すでに動き出している。3日から米アリゾナで宮国と自主トレを開始。ジムでは今季、ヤンキース、ナショナルズで計64試合に登板したワンポイント左腕・ソーントンと遭遇。現役大リーガーと同じ環境で体幹を徹底的に鍛えた。先日ハワイに移動。「自主トレは順調に来ています」と温暖な異国の地で、充実した日々を送っている。

 原監督からは以前、同席したイベントで「次のWBC(17年)でエースになる覚悟でやるでしょう。そして、東京五輪で野球が復活すると思う。その舞台で大いに戦ってほしい」と直々に激励され、「世界で活躍できるように頑張っていきたいです」と意気込んでいた。侍ジャパンのエースとして、悲願の金メダル獲得―。夢を力に変えて高みを目指す。

 ◆菅野智之(すがの・ともゆき) 1989年10月11日、神奈川・相模原市生まれ。25歳。東海大相模高、東海大、1年の浪人生活を経て2012年ドラフト1位で巨人に入団。2年目の今年は初の開幕投手を務め、12勝5敗、防御率2・33で最優秀防御率を獲得。リーグMVP、ベストナインを受賞。通算50登板、25勝11敗、防御率2・74。185センチ、88キロ。右投右打。来季年俸は1億1000万円。

◆2014年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 菅野智之 巨人 25
野球(パ・リーグ) 大谷翔平 日本ハム 20
男子ゴルフ 小田孔明 フリー 36
女子ゴルフ イ・ボミ マスターズGC 26
ボクシング 山中慎介 帝拳 32 3
Jリーグ 大久保嘉人 川崎 32 2
特別賞 錦織圭 日清食品 24
特別賞 石川佳純 全農 21
フレッシュ賞 逸ノ城駿 21

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