横綱は2010年に歴代2位の63連勝を達成し、今年は43連勝。昭和以降で40連勝以上を2度も果たすのは初の快挙だった。白星街道をまい進したマー君を「すごいなあ、と思ってみていました」と褒めた。だが、白鵬が最も驚嘆したことは、日本シリーズ第6戦で2年越しでの公式戦連勝が30(ポストシーズン含む)で止まった後の第7戦のマウンドに上がって、抑えたことだという。「負けた後にマウンドに上がった心も(本当に)すごい」とため息交じりに話した。
白鵬は「連勝は止まってからが大事。負けた後、次の戦いに向けての気持ちの持っていき方は難しい」と明かす。最多69連勝の双葉山、45連勝の大鵬でさえ、連勝が止まった場所は優勝できなかった。だが白鵬は63連勝、43連勝で止まった場所は、いずれも賜杯を手にしている。同じ思いを知る者として、黒星の後も動じることなく日本一の胴上げ投手となったマー君の精神力をたたえた。
今年、白鵬は年6場所中4場所を制覇した。来年は大鵬の史上最多V32も視野に入るが「大きいことを言わず、まず30回に乗せること」と謙虚に目標を掲げる。「優勝するのは大変なこと。九州場所は優勝を逃したが、内容は良かった。その辺りを思い出しながらやっていきたい」と冷静に14年を見据えた。
◆白鵬翔(はくほう・しょう) 本名・ムンフバト・ダヴァジャルガル。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。28歳。宮城野部屋。2001年春、初土俵。04年初、新十両。同年夏、新入幕。07年夏場所後に第69代横綱昇進。10年に史上2位タイ63連勝。10年春~11年技量審査場所にかけ、史上最多タイ7連覇。優勝回数は歴代3位の27回。192センチ、158キロ。得意は右四つ、寄り。家族は妻と1男2女。