タイトルを総なめにしているマー君に、新たな勲章が加わった。報知プロスポーツ大賞は今回が初受賞。沢村賞に輝いた11年はチームは5位に低迷し、ソフトバンクの内川に譲った。今季は24勝無敗で球団創設9年目で初の日本一に導き、文句なしの受賞だ。
田中は「素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。サポートしていただいた皆様に感謝するとともに、ファンの方に受賞の報告ができることをうれしく思います」と喜びを語った。
歴史と記憶に残るシーズンとなった。開幕24連勝、昨季から28連勝、CSと日本シリーズを含めた30連勝は、それぞれギネス世界記録に認定された。リーグ優勝、CS突破、日本一の3つの大きな節目の勝利を、いずれもマウンドで締めくくった。特に、印象深かったのが、リーグ優勝を決めた9月26日の西武戦(西武D)。1点リードの9回に1死二、三塁のピンチを連続三振で切り抜けた。「場面、シナリオというか、グッと来るものがあった。うまく行きすぎているところがあった」
オフは休む間もなく表彰ラッシュが続く。MVPや宮城県民栄誉賞などを合わせれば、表彰は20個を超える。「全然ゆっくりできていないけど、野球選手としては、うれしい悲鳴です」
来季に目指す姿は見えている。「今年は数字という意味では成績を残せたけど、もっともっと質を追求していきたい。野球をやっていく限り、上を目指したい」。現状に満足することなく、進化を続けていく。
◆田中将大(たなか・まさひろ) 1988年11月1日、兵庫県生まれ。25歳。駒大苫小牧高時代の05年夏の甲子園優勝投手。06年の高校生ドラフトで4球団から1巡目指名され、交渉権を獲得した楽天に入団。1年目から先発ローテーション入りし、07年新人王、11年初の最多勝で沢村賞受賞。今季は前人未到の24勝0敗(通算28連勝)で、チームを創立9年目で日本一に導いた。08年北京五輪、09、13年のWBCで日本代表。188センチ、93キロ。右投右打。