朝青龍の引退や野球賭博問題など揺れに揺れた2010年の角界。それでも一人横綱として歴代2位タイの63連勝、5連覇と白鵬にとって大いなる飛躍の年になった。11年、周囲からは朝青龍の持つ7連覇の更新が期待されるが、来年の目標に迷いなく「6」という数字を掲げた。それは「昭和の大横綱」大鵬の持つ6連覇だ。「あまり数字にはこだわらない方だけど、憧れで尊敬する大鵬関に並ぶ記録を達成したい」と力強く誓った。
元大鵬の納谷幸喜さん(70)とは事あるごとにアドバイスをもらったり、食事をともにする仲だ。双葉山の持つ69連勝に挑戦する九州場所前には、自分が超えていいものなのかを納谷さんに相談。それほど尊敬し、信用する存在だ。「かわいがってもらってるし、双葉山関と同じくらい尊敬しているからね」と6連覇を意識する理由を説明した。
表彰式では各界のトップに君臨する選手と交流しパワーをもらった。石川だけでなく、ボクシングの西岡や巨人の長野とも熱心に話し込んだ。巨人ファンでもある白鵬は「長野さんとは同い年だしね。部門は違うけど、目指しているものは一緒。頑張っていきたい」と、ともに高め合っていくことを誓った。「これだけのものを残している人と会っただけでもエネルギーになる。これからもいろいろな人に、いろいろ聞きながらやっていきたい」。様々なアスリートから刺激をもらい、更なる飛躍を目指す。
◆白鵬翔(はくほう・しょう) 本名・ムンフバト・ダヴァジャルガル。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。25歳。宮城野部屋。2000年10月来日。01年春場所で初土俵。04年夏、新入幕。06年春場所後に大関。07年夏場所後に第69代横綱に昇進。優勝17回。殊勲賞3回、敢闘賞1回、技能賞2回。金星1。得意は右四つ、寄り、投げ。192センチ、149キロ。家族は夫人と1男1女。