相撲界の頂点に君臨する同世代と言葉を交わし、奮い立った。「同級生で、巨人ファンということで話しかけてもらいました。オーラがありました」。にこやかに談笑する場面もあり、記念撮影では「グータッチ」でツーショットに収まった。
刺激を受けただけではない。プロ入り当初から、体の硬さを指摘されてきた長野。いとも簡単に巨体を曲げる力士の柔軟性には、以前から注目していた。「股割りとか、そういう機会があればやっていきたい。入門も? そうですね」と“弟子入りを”宣言。相撲をヒントに柔軟性アップに取り組む考えも明かした。
「来季は少しでも多くの試合に出られれば」と意気込む長野にとって、柔軟など体のケアは重要。今年は128試合に出場したが、疲労軽減や故障予防を徹底すれば、数字も伸びてくる。さらに今季、緒方前外野守備走塁コーチは「(長野は)硬いから、体の反転があまりスムーズにできない」と、後方の打球に対し半身の体勢で追えない原因を指摘。股関節まわりの可動域拡大は、プレーの向上にもつながる。
式典で長野は「そこの席(大賞の席)に座っている前田君を攻略して、日本一になりたい」と宣戦布告した。相撲トレーニングでレベルアップし、マエケンを倒して来年は日本一も大賞の座も手にする。
◆長野久義(ちょうの・ひさよし) 1984年12月6日、佐賀県生まれ。26歳。福岡・筑陽学園高から日大に進学。2006年の大学・社会人ドラフトで日本ハムの指名を拒否し、ホンダ入社。08年ドラフトではロッテの指名を拒否。09年ドラフト1位で巨人入りした。今季は128試合に出場し、打率2割8分8厘、19本塁打、52打点で新人王。180センチ、80キロ。右投右打。