イチローに続き新庄までがメジャー入りを果たした。スター選手の度重なる米国流出。20世紀最後の年に日本プロ野球界の「顔」となった男は、危機感を肌で感じ取っていた。2年後には自身のFA獲得、そしてメジャー行きまでささやかれている。「今は考えられない」と、ひとまずそれは封印して、人気回復のために立ち上がろうという決意でいるのだ。
報知プロスポーツ大賞は96年以来の受賞。選出された人の中で、唯一の2度目の受賞となった。「前回は日本一になれなかったし、20世紀の締めくくりに本当にいい1年になった。21世紀の目標は特にない。数字も気にしない。世紀も変わる。また気持ちを新たに、ゼロからのスタートです」心の中をリセットしたゴジラが、日本プロ野球発展のため、21世紀もフル回転する。(鈴村 雄一郎)
◆松井 秀喜(まつい・ひでき) 1974年6月12日、石川県生まれ。26歳。星稜高から93年ドラフト1位で巨人に入団。今季は打撃3部門すべてで自己最高成績を残し、本塁打と打点の2冠でチームを6年ぶりの日本一へとけん引した。185センチ、95キロ。右投左打