9月9日の陸上日本学生対校選手権(福井)で、日本初の100メートル9秒台を出した桐生祥秀(21)=東洋大=が特別賞。陸上男子短距離からは初受賞となった。「現役の間はずっと日本最速と言われたい」と胸に刻んで出した、9秒98の日本新記録。「9・98(10秒の壁)」は今年のユーキャン新語・流行語大賞の30語にもノミネートされるなど、大学ラストイヤーは注目度急上昇の1年となった。
今オフも2004年アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダルの室伏広治氏の下で筋力強化に励むなど、冬季練習に励む。来季はアジア大会(ジャカルタ)が控える。中国やカタール勢が台頭する陸上界では、20年東京五輪へ重要な前哨戦の一つだ。「今後は0秒01でも自己ベストを出せば、それが日本新。自己新をたくさん出したい」。悲願の東京五輪100メートル決勝進出へ、桐生はまだ速くなる。
◆桐生祥秀(きりゅう・よしひで) 1995年12月15日、滋賀・彦根市生まれ。21歳。彦根南中1年で陸上を始める。京都・洛南高3年で当時日本歴代2位の10秒01をマーク。2014年に東洋大へ進み、男子400メートルリレーで16年リオ五輪銀、17年ロンドン世陸銅メダル。175センチ、68キロ。