ついに名だたる先輩王者たちを抜いた。吉報を聞くと「5年連続ってすごいですよね。5連続防衛とは違う。王者であるということに加え、内容も問われる。そういったことを評価されるのはうれしいし、誇り」と喜んだ。5年連続受賞は、元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高(1977~80年)と、元WBA・WBC世界スーパーフライ級王者・渡辺二郎(82~85年)の4年連続受賞を抜いてボクシング部門で史上最多となった。
3月にはリボリオ・ソリス(ベネズエラ)を3―0の判定で退け、10度目の防衛。国内ジム所属選手では4人目の2ケタ防衛を達成した。続く9月のアンセルモ・モレノ(パナマ)とのV11戦は強烈な印象を残した。昨年9月のV9戦では2―1の僅差での判定勝利だったが、再戦では4度も倒して返り討ちにした。充実の一年だったが、山中は「気を引き締め直して、6年連続につなげられたら最高」と早くも来年に目を向けた。
◆山中慎介(やまなか・しんすけ) 1982年10月11日、滋賀・湖南市生まれ。34歳。南京都高(現・京都広学館高)1年でボクシングを始め、3年時に国体優勝。専大を経て、06年1月にプロデビュー。10年6月に日本バンタム級王座を奪取(初防衛後に返上)。11年11月にWBC世界バンタム級王座を獲得し、今年9月までに11度連続防衛中。戦績は26勝(18KO)2分け。身長170・5センチの左ボクサーファイター。家族は妻と1男1女。