これまで3年連続で石川遼が受賞していた同賞に、43歳の藤田が初めて輝いた。初受賞としては史上最年長。「ファン投票というのが一番うれしい。スポーツ報知の幅広い層の読者が選んでくれたわけですから。それが何よりの喜びです」と初タイトルを素直に喜んだ。
現在、賞金ランキングは堂々の1位(1億3084万4972円)。4月のつるやオープン、5月のダイヤモンドカップ、9月のANAオープンと着実に勝利を重ね、自身初となる年間3勝を挙げた。正確なショット、得意のアプローチ、パターで観客を魅了した。平均ストローク(70・08)もトップと安定している。
先週のダンロップフェニックスで4位に入り、世界ランクは47位に浮上。来春のマスターズの出場権が得られる年末の世界ランク50位以内に食い込んだ。それでも「年内の試合でしっかりポイントを稼ぎたい」と気を引き締める。今年は海外試合にも積極的に参戦し、6月の全米オープンで日本勢唯一の予選通過(51位)、強豪が集う11月のHSBCチャンピオンズ(中国)でも11位と奮闘した。
22日からカシオワールドオープンに臨む。この日のプロアマ戦で久々にパターをピン型からセンターシャフトに変え、本番でも投入することを決めた。最近2戦は右に押し出す動きが出てしまい、しっくり来なかったパッティング。「そろそろ限界かなと。センターに変えることでシンプルに考えられる」と話した。
「来週は(報知新聞社主催の)日本シリーズJTカップ。タイミング的には自分の中で報知一色」と笑ったベテラン。10、11年と制しており、史上初のシリーズ3連覇から40代での賞金王初戴冠へ―。藤田は偉業に挑む。
◆藤田寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年6月16日、福岡県生まれ。43歳。15歳からゴルフを本格的に始め、専大卒業後の92年のプロテストで一発合格。97年サントリーオープンでツアー初優勝して以来、毎年シード権を維持。ツアー通算14勝。生涯獲得賞金は11億5373万75円。家族は夫人と2男。168センチ、70キロ。