4月の初防衛戦で米国を主戦場にする強打のビック・ダルチニャン(オーストラリア)をフットワークとテクニックで完封すると、今月のV2戦では強烈な左クロスでトマス・ロハス(メキシコ)の顔面を豪快に打ち抜いて7回KO。スケールの大きい戦いぶりで存在感を際立たせた。
「今年は最高の1年」。初防衛戦後に沙也乃夫人(27)と結婚し、10月には長男・豪祐くんが誕生。「これでも『家族ができて気が緩むのでは…』と悩んだんですわ」と振り返ったが、それも無用な心配となった。
ロハス戦の2日後、沖縄で出産した妻と息子のもとに飛んで英気を養った。まだ離ればなれに暮らしているが「オフを満喫している。でも、そろそろ体を動かしたいな」と来春計画の3度目の防衛戦へ早くも体をうずかせている。才能を覚醒させつつある山中は、これからもファンを魅了していく。
◆山中慎介(やまなか・しんすけ) 1982年10月11日、滋賀県湖南市生まれ。30歳。南京都高で競技を始め、3年時に国体優勝。専大を経て、2006年にプロデビュー。10年に日本バンタム級王座を奪取(防衛1回)。昨年11月、WBC世界同級王座決定戦で9戦連続となるKO勝利でタイトル獲得。今年4月の初防衛戦で元世界2階級王者ダルチニャンに判定勝ち。同11月に元世界王者ロハスを7回KOで下し、2度目の防衛に成功。戦績は17勝(12KO)2分け。身長171センチの左ボクサーファイター。