7月のエビアンマスターズで日本人史上6人目となる米ツアー制覇を果たし、今季獲得賞金は約150万ドル(約1億3000万円)で3位。賞金女王には届かなかったが「自分のスタイルを見つけられた一年。米国で戦っていける自信がついた」と胸を張った。
「これから先も米国でやっていきたい思いは強くなる一方」という藍はひとつの決断を下した。9月にカリフォルニア州ロサンゼルス郊外に家を購入。3ベッドルームの2階建てで「一人暮らしですけど、いま住んでいるところの近所なので、治安もいいし安心です」。腰を落ち着かせて5年目のシーズンを迎えるために、アパート住まいから心機一転。米国では不動産の価格が下落しており「周りの選手から“買うなら今よ”と勧められたんです」と照れ笑いを浮かべた。
先月行われた米ツアーのパーティーでは、新たな目標が見つかった。「4年間やってきて、自分でも不思議な感じで自然とわいてきた」というプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(米ツアーの最優秀選手)への強い思い。「そこを目指していけば、メジャーチャンピオンも近づいてくる」。プロ転向時に一番の目標として掲げた全米女子オープンで、今季は自己最高の6位。全英女子オープンでは3位。「近づいている実感はある。粘り強くプレーすることを心がけていけば、どのメジャーでも戦えると思う」と、1977年全米女子プロの樋口久子以来となる日本人2人目のメジャーVを見据えた。
引っ越しのため、20日前後に一度渡米する。「来年から新しい気持ちで、というのもあって、年内に済ませたい」。1週間で作業を終えて、年越しはゆっくり沖縄で迎える。たっぷりと充電した藍が来季、新基地からメジャー取りを目指す。
◆宮里藍(みやざと・あい) 1985年6月19日、沖縄・国頭郡東村生まれ。24歳。宮城・東北高3年時の2003年9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでアマ選手として30年ぶり国内ツアー史上最年少で優勝。同年にプロ転向し、日本ツアーでは通算15勝。06年から米ツアーに本格参戦した。聖志、優作の兄2人もプロゴルファー。155センチ、52キロ。血液型B。