初めて石川遼を見て目が点になった。「あれは18歳じゃないですよ。落ち着いているし、しゃべりもしっかりしている」。上下白のスーツを着こなす姿には思わず「かっこいい」と漏らした。「自分なんて汗だくだくでした。なかなかこういう機会はないですし、刺激になりました」。7歳年下の遼君から一流の哲学を学び、身が引き締まった。
来季への意気込みを語っていると、同じ壇上に座っていた原監督がマイクを握った。「来年はレギュラーが保証されているか分からないですけど、前進してもらいたいですね」。激励を受けた松本は背筋をピンと伸ばし、「レギュラーとしてチームの日本一に貢献したいです」と闘志を燃やした。
今オフはイベントや表彰式で多忙のため、新居への引っ越しもできていない。「(今季が)始まる前は想像もしていなかった。来季は背番号も3と1を足した数字(31)になる。期待を込められているのでまた活躍しなきゃいけない」。遼君に負けない輝きを放ち、チームをV4に導く。
◆松本哲也(まつもと・てつや) 1984年7月3日、山梨市生まれ。25歳。山梨学院大付高から専大を経て2006年の育成ドラフト3巡目で巨人入団。07年2月、チームで初めて育成選手から支配下選手登録された。通算成績は132試合で打率2割9分2厘、0本塁打、15打点。170センチ、66キロ。左投左打。来季の年俸は3000万円。独身。