WBCで頂点に立った原監督から「おめでとう!」と祝福を受けた。「重圧に耐え、優勝に導いた手腕はやはりすごい」と世界一監督の印象を語った。自身のスピーチに何度も相づちを打ち、細かく拍手を送った石川には「あの若さで、その気遣い。感心しますね」と思わずうなった。世界を知る同士、通じ合うところはある。それだけに刺激は大きかった。
5月に敵地メキシコでジョニー・ゴンサレスに3回TKO勝ちし、日本人選手24年ぶりの海外防衛に成功。今年の3連続KO防衛で最も輝いた一戦を経て「『世界の西岡』を目指す。海外に名前を売りたい」とどん欲だ。
会場内では隣の席の宮里と家族の話で盛り上がった。10月のV3戦後は兵庫の自宅で充電。来年3月予定のV4戦へ向け、今月から単身、東京の帝拳ジムで練習を重ねているが、年末年始は帰郷し、しばしの休息に入る。
世界戦勝利のたびに、リングでまな娘の小姫(こひめ)ちゃんを抱きかかえてきた。最高のモチベーションだが、「娘はまだ小さい。ボクシングのことを覚えているようになるまでチャンピオンを防衛したい」とさらなる飛躍を誓った。
◆西岡利晃(にしおか・としあき) 1976年7月25日、兵庫・加古川市生まれ。33歳。94年12月、JM加古川ジムからプロデビュー。00年9月、帝拳ジムに移籍。08年9月、ナパーポン(タイ)を破りWBC世界スーパーバンタム級王座を獲得。5月には日本人2人目となる海外防衛を達成。168.5センチの左ボクサーファイター。家族は妻と1女。