この日、来春予定の同級1位のブシ・マリンガ(南アフリカ)とのV8戦の開催地が、大阪に絞られたことが明らかになった。同席した真正ジム・山下正人会長(46)も希望していた地元興行で、今年1月に関西の“聖地”大阪府立体育会館で行って以来となる。来春は大相撲春場所のため同会場を使えないことを聞くと「譲ってくれたらいいのに!」と怒って見せた。そんな冗談が飛び出すのも、ボクシングのメジャー化を常に考えているからだ。
すでに、具志堅用高氏の持つ日本人王者の世界王座防衛記録のV13へ折り返した。16日で28歳になったが、長期政権の秘けつについて「普段からの節制」と話す。飲み会やバーの雰囲気が好きでよく足を運ぶが、酒は一口つける程度。「コーラで十分」と自宅でも一切飲まない徹底ぶりだ。
V8戦後は、父親としての仕事が待っている。ジム近くのマンションへの引っ越しと、長男・大翔(ひろと)くんの小学校入学式。賞金の100万円はマンションのリフォーム代に充てる予定で「いいカメラで撮ってあげたい」と一眼レフカメラ購入も。同級生がうらやむパパが狙うのは、もちろん3試合連続のKO劇。心・技・体が充実した「長谷川時代」は、当分終わりそうもない。
◆長谷川穂積(はせがわ・ほづみ) 1980年12月16日、兵庫県西脇市生まれ。28歳。99年11月プロデビュー。東洋太平洋バンタム級王座を3度防衛後、05年4月にウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)を破り、WBC世界バンタム級王座獲得、7度防衛。167センチの左ボクサーファイター。戦績は27戦25勝(8KO)2敗。家族は泰子夫人と1男1女。