【2005年】野球（パ・リーグ） 渡辺俊介
控室で渡辺俊（左）と握手した原監督
スポットライトに照らし出された渡辺俊の表情に、風格が漂っていた。今年、ロッテ旋風を支え、全国を魅惑し続けたサブマリン。来年３月の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）」への意気込みを問われると「日の丸を背負って、一生懸命頑張ってきます」と言い切った。
重責を果たすため、休んでいる暇はない。日本代表・王貞治監督（ソフトバンク監督）からジャパンのエースに指名された渡辺俊。“ＷＢＣ仕様”で、例年より１か月早く調整を進めることを明かした。本格始動は２６日。来年から個人契約を結ぶトレーニングジム「クレーマー・ジャパン」の平岩時雄トレーニングコーチとともに、バランスを高める訓練に乗り出す。新年は元旦から千葉マリンで練習。「“マリン詣で”で１年を始めたい」と意欲を語った。
この日の表彰式では、男子プロゴルフ部門で受賞した片山晋呉と談笑。自宅が近所であることもあり、連絡先を交換した。「今度お会いした時は、プロゴルファーのメンタル面を吸収したい」と向上心を見せた。アジアを極めた０５年から、世界へ飛び立つ０６年へ。さらなる飛躍を目指して、サブマリンの進化は続く。
◆渡辺俊介（わたなべ・しゅんすけ） １９７６年８月２７日、栃木県生まれ。２９歳。国学院栃木高から国学大を経て新日鉄君津へ。２０００年のシドニー五輪に日本代表として出場。同年のドラフト４位でロッテへ。昨季はチーム最多の１２勝をマーク。今季も１５勝４敗で、防御率２・１７はリーグ２位。ポストシーズンでも日本シリーズ第２戦、アジアシリーズ決勝で勝利投手になった。１７７センチ、７０キロ。右投右打。家族は妻と１男１女。