川嶋が深紅のトロフィーをV2防衛の勇気へと変えた。6月28日、徳山昌守(30)=金沢=を107秒でKOする衝撃の王座交代劇で栄光の初受賞。壇上で「夢を見ているような1年でした」と感激したのは一瞬だった。年明けの1月3日に同級1位ホセ・ナバーロ(23)=米国=を迎え撃つ。「来年ももらえるように必ずKOで勝ちます」KO宣言まで飛び出し必勝を誓った。
2度目の防衛へ横綱・朝青龍から秘策を伝授された。「けいこから常にスピードを意識している。大切なのはスピード」角界の頂点に立つ男からの言葉に心を揺さぶられた。「スピードが大切だと実感しました。これからもっと意識して練習します」必殺の右フックにさらなる速さを加えた“横綱パンチ”で最強挑戦者を倒すことを約束した。
表彰式前日の13日から減量に入った。他の受賞者が料理を口にするなか、ウーロン茶だけで通した。重要な試合前の出席にリスクはなかったか。「全然ないですよ。逆にすごい刺激になりました。この賞をもらったからにはますます負けられません」深紅のトロフィーをギュっと握りしめた。
◆川嶋勝重(かわしま・かつしげ) 1974年10月6日、市原市生まれ。97年2月にプロデビュー。同年11月に東日本スーパーフライ級新人王を獲得。02年4月に日本スーパーフライ級王座を奪取。03年6月に初の世界挑戦で徳山に判定負けも1年後の今年6月に同じ徳山をKOで破り初の世界王座奪取を果たす。戦績は30戦27勝(18KO)3敗。身長164センチの右ファイター。