【2002年】Jリーグ 高原 直泰

報知プロスポーツ大賞の表彰を受けた後、所要のため相対した高原 報知プロスポーツ大賞の表彰を受けた後、所要のため相対した高原
 「どこへ行っても自信を持ってやりたい」―。Jリーグで史上最年少の得点王に輝いた日本代表FW高原直泰(23)=磐田=が27日、ドイツでの飛躍を誓った。高原はこの日、「2002報知プロスポーツ大賞」表彰式に出席。ドイツ・ブンデスリーガの名門ハンブルガーSV(HSV)への移籍が決まり、1月4日から練習に合流するが、新天地でも自分の力強いドリブルで局面を打開するスタイルを貫くことを宣言した。

◆2006年W杯必ずピッチに

 緊張しながらも、自信の笑顔がはじけた。史上最年少のJリーグ得点王が「2002報知プロスポーツ大賞」を受賞。「1年間、自分が納得いくプレーをして、こうやって選ばれたということで、非常にうれしいです」23歳の若きストライカーの口元が自然と緩んだ。 今季Jリーグ27試合26得点。7月20日のF東京戦(東京)からは7試合連続ゴールをマークした。JリーグのMVPに続くビッグな勲章。「1年間通してできたことはいい経験だし、成長できた」と本人も納得のシーズンだった。

 そんな高原がやり残したことがある。6月に突然、肺動脈血栓塞(そく)栓症にかかり、日韓共催W杯出場を棒に振った。移籍先のHSVは2006年にW杯が開催されるドイツのチーム。それだけに「今年のW杯は出場できなかったんで、今度のドイツ大会ではぜひ自分がピッチに立ちたい」視線の先に、4年後の晴れ舞台に立つ自分の姿をとらえている。

 新天地でも変わらぬ強さを見せつける。高原は「抱負? 自分のスタイルを崩さないこと」とキッパリ。続けて「環境が変わっていろんな問題があるかもしれないですけど、どこへ行っても自信を持ってやりたい」。スピード、パワー、テクニックのすべてを兼ね備えたストライカーをドイツでも証明してみせる。

 野球、サッカーと競技こそ違うが、同じく米大リーグに挑戦する松井秀喜からは「(ドイツでも)高原君なりのプレーをしてくれるだろうし、僕も米国から応援しています」というエールを受けた。

 高原は、この日で移籍前の取材依頼をすべて打ち切り。日本で最後の表彰式となった。「アルゼンチンから休まずきたんで、今、少しですけど、ちゃんとゆっくりしたい」しっかりと休養し、後半戦開幕のハノーバー96戦(1月25日)に向けて高原は再び牙をむく。

[タカに聞く]

◆ドイツ語は全然…英語でコミュニケーション

 ―今の気分は?

 「自分がこういう場(表彰式)にいて、いいのかなと思うんですけど、非常に緊張しますね」

 ―ピッチの上の方がいいですか?

 「ピッチの方が自然体でいられます」

 ―今季を振り返って?

 「1年間通して自分のやろうとしていたプレーが出せたと思うし、1年通してできたことはいい経験。成長できた」

 ―12月上旬にHSVの練習に参加しましたが?

 「チームメートとも会ってきていろいろな施設も見てきました」

 ―言葉は?

 「基本的にはドイツ語なんですけど、英語が通じるので、なんとか英語でコミュニケーションを取りたいです。ドイツ語は僕は全然わからないです」

 ―磐田のチームメートには、あいさつを済ませたのか?

 「一応、あいさつしました。アルゼンチン(ボカ・ジュニアーズ)へ行ったときは急だったんで、何もあいさつせずに行きましたが…」

 ―いつ出発?

 「(来年1月)4日に(練習が)始まるので、それに間に合うように日本をたちたいと思う」

 ◆高原 直泰(たかはら・なおひろ) 1979年6月4日、静岡県三島市生まれ。23歳。98年に清水東高からジュビロ磐田入り。同年3月21日の京都戦(磐田)でJリーグデビュー&初ゴール。2001年8月からボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)に移籍したが、チームの経営危機で今年2月に磐田に復帰した。181センチ、75キロ。血液型B。

◆2002年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 松井 秀喜 前巨人 28 2年ぶり3度目
野球(パ・リーグ) 松井 稼頭央 西武 27 5年ぶり2度目
男子ゴルフ 中嶋 常幸 フリー 48 16年ぶり6度目
女子ゴルフ 藤井 かすみ ザ・クイーンズヒル 35
大相撲 朝青龍明徳 高砂 22
ボクシング 徳山 昌守 金沢 28
Jリーグ 高原 直泰 磐田 23
特別功労賞 青木功 フリー 60 -

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