貫録が違う。1964年にプロ入りして38年。ゴルフ界に数々の金字塔を打ち立てた青木が特別功労賞を受賞した。司会者に促され壇上に上がると「大御所なんて言わないでよ。還暦は新しく生まれる年。これが自分の第2の人生の始まりだ」。若手スポーツ選手に囲まれた60歳は誰よりもオーラを放っていた。
還暦を目前にした今年5月。米シニアツアーのインスティネット・クラシックでただ一人、3日間60台のスコアをたたき出し、98年ベルサウスクラシック以来のツアー通算9勝目を達成した。「まだまだできるというところを見せられて良かった」と振り返った。
ここまでの道のりは決して楽ではなかった。肩、ひざと長年酷使した体が悲鳴を上げたことは数え切れない。それでも「こんなに長くできるスポーツはない。好きなことをやってるんだ。こんな幸せなことはない。生涯現役だ」と言い切る。
来年も米シニアツアーを主戦場とし、3月には中国・深センで行われる日本ツアー代表対アジア連合軍で争うアジア版ライダー杯のダイナスティー杯の主将を務める。「また勝ちにいく。応援してくれる人に喜び、感動を恩返ししたい」と力強く語った。
◆青木功(あおき・いさお) 1942年8月31日、千葉県生まれ。60歳。64年にプロ入りし、日本ツアーで5度の賞金王に輝く。83年にはハワイアンオープンで日本男子初の米ツアー優勝の快挙。92年から米シニアツアーに挑戦し、昨年、プロ通算1000試合出場を達成。優勝回数は国内56回、シニア6回、海外4回、海外シニア9回。家族は宏子夫人(59)と1女。180センチ、82キロ。血液型B。