【2011年】ボクシング 西岡利晃
西岡はスノーパウダーをまいて喜んだ
３５歳にして日本ボクシング界の金字塔を打ち立てた。西岡は１０月に日本人で初めて米ラスベガスで防衛戦に臨み、元２階級王者の強豪ラファエル・マルケス（メキシコ）を判定で破ってＶ７を決めた。兵庫・尼崎市の自宅で３年連続の受賞を知らされ「１つ１つの積み重ねが賞につながっていますが、今年は格別です」と顔をほころばせた。
３度の防衛に成功した２００９年の初受賞時の「これからは米国進出」という“公約”を果たした。４月のＶ６戦のムニョス（アルゼンチン）戦は震災の影響で開催地が直前に東京から神戸に変更されたが、動じず９回ＴＫＯ。４０勝中３６ＫＯの強打のマルケスとの大一番は「ミスらしいミスはなかった」とケタ外れの集中力を発揮し、前人未到の偉業を成し遂げた。
４年前から東京で単身生活を続けるが、現在は自宅で妻・美帆さん（３０）と長女・小姫ちゃん（５）と過ごし、充電。国内の最年長防衛記録も更新した男は「強がりでなく、体力的な衰えを感じてない」と言い切る。王者の勢いはとどまるところを知らない。
◆西岡利晃（にしおか・としあき） １９７６年７月２５日、兵庫・加古川市生まれ。３５歳。９４年プロデビュー。９８年日本バンタム級王座獲得（２度防衛）。００年ＷＢＣ世界同級王座に初挑戦も判定負け。０８年５度目の世界挑戦でＷＢＣ世界スーパーバンタム級暫定王座獲得。今年１０月、米ラスベガスで日本人初の防衛（７度目）成功。身長１６９センチの左ボクサーファイター。