「中継ぎでもこういう賞をもらえたことは、中継ぎの発展にもつながる。選んでいただいて感謝してます」と端正な顔をほころばせた。
リーグ連覇へフル回転した。今季は球団新記録の79試合に登板。過酷な場面で何度もチームのピンチを救い、7勝2敗10セーブに45ホールド、防御率0・41と驚異的な数字を残した。2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝き、セットアッパーでは初めてリーグMVPやゴールデングラブ賞も受賞。中継ぎの地位向上に大きな役割を果たした。
落合前監督も「浅尾、岩瀬で負けたらしょうがない」と絶大な信頼を寄せていたが、「打たれたところしか覚えてない」と常に反省を怠らない。自己最高のシーズンを過ごしても「真っすぐのスピードが落ちてきたので、(オフは)走り込んで150キロを超えるようにしたい」と、課題が尽きることはない。どれだけ勲章を手にしても、謙虚な姿勢を貫いて精進する。
◆浅尾拓也(あさお・たくや) 1984年10月22日、愛知・知多市生まれ。27歳。常滑北高(現・常滑高)から日本福祉大を経て、06年大学・社会人ドラフト3巡目で中日入団。今季は2年連続で最優秀中継ぎ投手を獲得し、セ・リーグMVPとゴールデングラブ賞も受賞。通算281試合で33勝16敗18セーブ、138ホールド。防御率2・19。182センチ、75キロ。右投右打。家族は妻。