東京Vから移籍した今季、リーグ戦26試合出場で26得点。比類なき決定力だった。圧巻は、5月7日のホーム鹿島戦からの出場10試合連続ゴール。最終戦の12月2日のG大阪戦では決勝弾を含む2発を決め、01年コンフェデレーションズ杯日本大会でブラジル代表の2トップを形成したG大阪FWマグノ・アウベスと得点王を分け合った。
優勝決定直後はシャンパンを手に大騒ぎし、同僚のテレビ出演へ乱入するちゃめっ気も見せたが、普段はまじめで穏やかな人格者。同僚も敬意を込めて「ワシさん」と呼ぶ。
栄冠は愛する母・マリアさんにささげた。「今回の受賞は家族のおかげですが、特にブラジルにいる母親にささげたいと思います」来日中の父・アントニオさんはスタンドで息子の歓喜を見守ることができたが、03年に心臓疾患で2度の大手術を受けた際、病床で支えてくれた母親はブラジルで留守番だった。故郷リオグランデドスール州に凱旋したときには、ファンに愛された証しのこの賞が、何よりの手土産となる。
◆ワシントン(本名ワシントン・ステカネロ・セルケイラ) 1975年4月1日、ブラジル・ブラジリア市生まれ。31歳。インテルナシオナル、グレミオ(ブラジル)、フェネルバフチェ(トルコ)などを経て2005年東京V入団。06年、浦和に移籍。今季は26得点で得点王。元ブラジル代表(9試合で2得点)。189センチ、88キロ。