【2006年】野球(パ・リーグ) ダルビッシュ有

キラキラ光るド派手なスーツに身を包んで登場したダルビッシュ キラキラ光るド派手なスーツに身を包んで登場したダルビッシュ
 今年最も活躍した7部門の選手を読者投票で選ぶ報知新聞社制定「第31回 2006報知プロスポーツ大賞」表彰式で、初の大賞に輝いたパ・リーグ部門のダルビッシュ有投手(20)=日本ハム=が、ファッションリーダーとしても引退した新庄剛志さん(34)の後を継いでいくことを明かした。ボクシング部門で2年連続2度目の栄誉を手にしたWBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(26)=千里馬神戸=は、4度目の防衛戦を来年4月29日に神戸ワールド記念ホールで行うことが明らかになった。

 どよめきと同時に、感嘆のため息が漏れた。華やかなステージの中でも、ダルビッシュの存在感は圧倒的だった。「いろんな人に突っ込まれましたね」数日前に染めたという茶髪、そして、全身黒光りのきらびやかなファッションが、会場に居合わせたすべての人のド肝を抜いた。

 グラウンド外での表彰式出席は自身初めて。その舞台で着用したのがイタリア製の「ハラコ」を素材とした高級スーツだった。“勝負服”には、ほかにも複数の候補があったが「どうせ着るのなら、目立った方がいいでしょう」と、このスーツに決めた。

 新たな決意表明でもあった。「パフォーマンスは考えていないですけど、これからは何か面白いことをしたいな、と思っています」野球以外にはファッションを含め、さほど関心を示さなかった男が変わった。ファッションでも常に注目を浴び続けた新庄の後を継ぐ―との意思にも見えた。小笠原も抜け、ダルビッシュはチームの顔としての自覚をしっかりと持っている。

 式では思わぬ“ほめ殺し”にもあった。シーズンをし烈に争ったソフトバンク・王監督が「病室のテレビで見ていて、手も足も出ない感じだった。投げるほどに成長した」とうなり、中日・福留も「日本シリーズでは完全に見下ろされていた」と脱帽。ライバルからの絶賛に「心構えがなかったので、びっくりしました」と表情を崩した。

 あらゆる栄光を手にした1年だが、若きエースは満足することを知らない。「ストレートをもっと速くしたい。あとは四球で流れを切ったことが多かったので、それも克服したい」力強く来季への抱負を語った。リーグ連覇、そして、連続日本一…大きな期待と使命を背に、ダルビッシュは2007年に挑む。

 ◆ダルビッシュ有(だるびっしゅ・ゆう) 1986年8月16日、大阪・羽曳野市生まれ。20歳。小学2年の時に捕手として野球を始める。東北高では2年春から4季連続甲子園出場。2年夏に準優勝。04年ドラフト1巡目で日本ハムに入団。2年目の今季は10連勝を含む12勝(5敗)。アジアシリーズMVPも獲得。家族は両親と弟2人。195センチ、85キロ。右投右打。

◆2006年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 福留孝介 中日 29
野球(パ・リーグ) ダルビッシュ有 日本ハム 22
男子ゴルフ 片山晋呉 ファイテン 33 2年連続3度目
女子ゴルフ 大山志保 オンワード樫山 29
大相撲 朝青龍明徳 高砂 26 3年連続4度目
ボクシング 長谷川穂積 千里馬神戸 26 2年連続2度目
Jリーグ ワシントン 浦和 31
特別賞 WBC日本代表 - - -

ページトップ