今年、日本スポーツ史上でも例を見ないほどの飛躍を遂げた。4月に念願の初勝利を挙げると、11月の米ツアー、ミズノクラシック(三重・近鉄賢島CC)では宮里藍(22)も成し遂げていない米ツアー勝利を達成。プロ3年目ながら5勝し、史上最年少(21歳5か月)で賞金女王になった。「本人が一番、驚いてます」と照れくさそうに振り返った。
試合以外の表彰式に出るのは今回が初めて。晴れ舞台で、“夢プラン”も公開した。来年4月に「ゴルフの祭典」とも呼ばれる世界メジャー、マスターズを見に行くと言う。ミズノ―で勝ち、米ツアーの来季のシード権を得た。同シード権を持つ選手ならマスターズを無料で観戦することが可能で、すでに出場が決定的な谷口徹に控室で「応援に行きます」とエールも送った。
親交のある谷口を応援する目的もあるが、それだけではない。来季挑戦する米ツアーで「今年と同様にチャンスをつかみたい」という思いがある。だからこそ「世界のトップしか出られないマスターズという試合をしっかり見たい」。世界の大舞台で戦うために、吸収できるものはすべて自分の糧にするつもりだ。
表彰式を終えると「一年一年成長していると自覚できる。米国に行っても自信を持ってやりたい」と表情を引き締めた桃子。2007年。日本女子ゴルフ界のトップに立った。次なる目標は、世界にその名を知らしめることだ。
◆上田桃子(うえだ・ももこ) 1986年6月15日、熊本・熊本市生まれ。21歳。9歳からゴルフを始め、東海大二高卒業後は江連忠コーチに弟子入り。2005年のプロテストに一発合格し、06年は賞金ランク13位で初シードを獲得。今季はライフカードレディスで初優勝を挙げるなど5勝で最年少賞金女王に輝いた。家族は両親と姉弟。161センチ、54キロ。