【尾車親方の目】好調・豪栄道は差して良し前出て良し投げて良し
スポーツ報知

◆大相撲春場所4日目 ○豪栄道(上手投げ)魁聖●(13日・エディオンアリーナ大阪)
大阪出身の大関・豪栄道(32)=境川=が、上手投げで幕内・魁聖(32)=友綱=を破り、春場所の自己最多に並ぶ初日から4連勝。
初日から4日目までの主役は間違いなく豪栄道だろう。内容が素晴らしい。遠藤と北勝富士を速攻で蹴散らし、錦木とこの日の魁聖は左前まわしを取っての厳しい攻め。相撲が速い。さらに差して良し、前に出て良し、投げて良しだ。迷いがないのも好感が持てる。
初場所の千秋楽。貴景勝を一蹴して自分の力を再確認したのかもしれない。これまではムラがあって、苦しくなるとすぐ引いてしまう悪い癖があった。魁聖との一番では左上手を取って小さく回った。調子が悪い時は左上手を取っても大きく振り回そうとして左肘があいてしまい墓穴を掘っていた。強い当たりと出足で引き技という悪い癖も封印できている。
関脇から大関に上がったころの豪栄道が、玉の海さん(故人、第51代横綱)に似ていて好きだった。こんな横綱が誕生してくれたらとも思っていた。地元の声援が後押し、全勝優勝の実績もある。頑張ってほしい。(スポーツ報知評論家)