貴景勝、“地元”での大関取りへ重圧「正面からはね返す」
スポーツ報知

日本相撲協会は25日、春場所(3月10日初日・エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。大関取りに挑む兵庫県出身の関脇・貴景勝(22)=千賀ノ浦=は「プレッシャーを正面からはね返す」と“地元”の大声援を追い風に、昇進ノルマの2ケタ白星へ意欲十分。新小結に北勝富士(26)=八角=、新入幕はいずれも24歳の友風(尾車)、照強(伊勢ケ浜)、大翔鵬(追手風)の3人となった。
平成最後の本場所は貴景勝が主役になる。春場所への稽古再開を控え、千賀ノ浦部屋の土俵がある大阪・勝山高で番付発表会見に臨むと「横綱、大関というのは別格。周りから『大関取り』と言っていただいているので変に(目標を)濁さない。毎日が千秋楽という気持ちで力を出し切りたい。プレッシャーを正面からはね返す」と言い切った。
大関は手の届くところにある。昨年九州場所は小結で13勝を挙げて初賜杯を抱いた。新関脇の初場所で11勝し大関昇進目安の「三役で直近3場所33勝」に到達も、千秋楽の大関・豪栄道戦に敗れて見送られた。計算上は今場所も9勝で目安に到達するが、15日制定着の1949年以降、直近場所が10勝未満の昇進例はない。すでに阿武松(おうのまつ)審判部長(元関脇・益荒雄)も昇進へ、春場所で2ケタ白星が不可欠との意向を示している。
初場所で負傷した懸念の右足裏も完治した。兵庫出身の貴景勝にとって、年に1度の関西凱旋は特別なものだ。「応援を力に変えたい。(成績が)最高か、最悪かは自分次第」。豪快な押し相撲を貫き、地元ファンにも春と歓喜を運ぶ。(小沼 春彦)