明学大初の箱根駅伝ランナー誕生濃厚 鈴木陸が選考会で激走

スポーツ報知
明学大初の箱根駅伝ランナーになることが濃厚となった鈴木陸

 関東学生陸上競技連盟主催の1万メートル記録挑戦競技会(報知新聞社後援)が24日、横浜市の慶大日吉陸上競技場で行われ、第95回箱根駅伝(来年1月2、3日)にオープン参加する関東学生連合チームは出場10選手を決める選考会として参加した。明学大の鈴木陸(4年)が自己ベストを約35秒も更新する29分50秒89で走り、10番手の選手として明学大史上初めて箱根路を走ることが濃厚となった。

 予選会(10月13日)で敗退した大学の中からハーフマラソン個人成績を基準に選ばれた16人の登録選手は同17日に発表済み。そのうち1番手の亜大・米井翔也(4年)、2番手の東大・近藤秀一(4年)ら上位8人は故障、病気などのアクシデントがない限り出場が確定し、本戦に向けて調整に専念する。一方、下位8人は予選会ハーフマラソンと今回の1万メートル記録挑戦競技会の合計タイムで残り2枠を争った。予選会ではチーム11番手だった明学大の鈴木陸が逆転で10番手に入った。

 「選考の状況は分かっていました。応援してくれた明学大のチームメートのお陰です。明学大初の箱根駅伝ランナーになりたいと思ってずっと頑張ってきた。まだ、残り1か月ちょっとありますので、ここからもっと調子を上げてアピールしていきたい」。自己ベストを大幅に更新する激走を見せた鈴木陸は感動で言葉を震わせながら話した。

 茨城県の強豪、水城高校出身。3年時には全国高校駅伝に出場し、6区25位の成績を残した。箱根駅伝常連校から声もかかったが「明学大を強くしたい。自分に合ったチーム」という思いで、箱根駅伝出場経験がない新興校に進学。故障が多かったが、地道に努力を続け、チームも自身も着実に成長した。今年の予選会で明学大は過去最高に並ぶ20位。鈴木陸は個人130位と健闘した。

 明学大の棚瀬亮治コーチ(45)は「心がブレない選手。4年かけて箱根駅伝を走るんだ、という強い思いを持ち続けていた。きょうもその気持ちを見せるレースをした。チームに大きな刺激を与えてくれた」と明学大パイオニアの魂の走りに最大限の賛辞を送った。父の健さんは専大の選手として1990年の箱根駅伝7区に出場。「父が走った箱根駅伝を僕も走ってみたい」と鈴木陸は目を輝かせる。明学大が箱根路に大きな一歩を記す時が来た。

 鈴木陸が逆転で10番手に入った一方で10番手だった流通経大の石井闘志(1年)は12番手に後退。夢の箱根路は遠のいた。防衛大学校の古林潤也(4年)は選考レースでトップと健闘したが、次点の11番手にとどまった。上智大初の箱根駅伝ランナーを目指した外山正一郎(4年)は12番手から15番手に後退し、出場は厳しくなった。

 関東学生連合の登録メンバー16人と予選会の記録は以下の通り。<>内数字は8位までが連合チーム内の予選会個人成績。9位以下は予選会個人成績と1万メートル記録挑戦会の合計タイム

 <1>米井 翔也(亜大4年)1時間3分23秒

 <2>国川 恭朗(麗沢大3年)1時間3分39秒

 <3>近藤 秀一(東大4年)1時間3分44秒

 <4>鈴木 大海(創価大2年)1時間3分52秒

 <5>小林 彬寛(専大2年)1時間3分52秒

 <6>西沢 晃佑(駿河台大4年)1時間3分58秒

 <7>相馬 崇史(筑波大2年)1時間4分6秒

 <8>田中 健祐(東農大4年)1時間4分9秒

 <9>鈴木 悠太(平成国際大4年)1時間34分14秒71

 <10>鈴木 陸(明学大4年)1時間34分50秒89

 <11>古林 潤也(防衛大学校4年)1時間35分11秒06

 <12>石井 闘志(流通経大1年)1時間35分28秒83

 <13>鈴木 優斗(東京経大3年)1時間35分52秒70

 <14>永瀬 孝(桜美林大2年)1時間35分53秒61

 <15>外山 正一郎(上智大4年)1時間36分1秒24

 <16>関口 大樹(関東学院大3年)1時間36分2秒53

 連合チーム以外の22校の16人登録は12月10日。10区間と補欠6人の登録は全23チームが12月29日に行われる。往復路ともにスタートの1時間10分前に当日変更が可能。ただし、変更は区間登録選手と補欠選手の入れ替えだけで区間変更はできない。また、交代は往復路合わせて4人まで。

スポーツ

×