【森末慎二の目】村上茉愛は最後に得意の床を持っていたのが大きかった
スポーツ報知

◆体操世界選手権第8日(1日、カタール・ドーハ)
個人総合の女子決勝が行われ、エース・村上茉愛(まい、22)=日体大=が合計55・798点で、日本人初の銀メダルを獲得。09年ロンドン大会の鶴見虹子さん(26)以来、9年ぶりの表彰台となった。
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逆転できる得意種目の床を最後に持っていたのが、茉愛にとって一番大きかったのではないか。伸び伸びといいリズムでこなし、着地も止めていた。相撲では横綱がいる部屋は下位力士も強くなるというが、今回の銀メダルは同じように女子代表全体に自信と好影響を与えるだろう。茉愛のように得意種目を伸ばせば世界でメダルが取れる。良い励みにして、他の選手にも続いてほしいと思っている。
優勝したバイルスは、全盛期の内村航平のような存在だ。大きなミスがあっても57点台の高得点。現状勝つのはなかなか難しい。ただ2位以下は横一線。ミスをした方が負ける、という状況にある。東京五輪に向けては、大きなけがをしないことが大切。常に緊張感を持って練習し、休むときはメリハリをつけて休むことも必要だ。来年は大学を卒業し、練習のやり方も変わる。自分で課題を考えて、体を強化することも求められるだろう。(84年ロス五輪鉄棒金メダリスト)