出雲駅伝2位の東洋大・酒井監督「全日本、箱根では勝ちたい」

今季の学生3大駅伝開幕戦の出雲全日本大学選抜駅伝は8日、島根・出雲大社鳥居前スタート、出雲ドーム前ゴールの6区間45・1キロで行われ、青学大が2時間11分58秒で2年ぶり4度目の優勝を飾った。東洋大はアンカーの吉川洋次(2年)が一時は4秒差まで迫ったが、12秒差の2位に惜敗した。酒井俊幸監督(42)は全日本大学駅伝(11月4日)、さらには新春の箱根駅伝(来年1月2、3日)に向けて逆襲を誓った。
(天候晴れ、気温24度、湿度64%、西北西の風3・0メートル=スタート時)
今季のチームスローガン「鉄紺の真価でくつがえせ」を体現する走りだった。
東洋大は4区終了時点で首位の青学大に45秒差をつけられた。45・1キロのスピード駅伝においては、致命的な大差だったが、諦めなかった。5区の今西駿介(3年)が区間賞の快走で27秒差まで詰めると、アンカーの吉川洋次(2年)が一時は青学大の竹石尚人(3年)に4秒差まで迫った。終盤、引き離され、12秒差の2位に終わったが、鉄紺タスキは存在感を示した。
「青学大はさすが王者でした。でも、東洋大も、ただの負けではない。青学大の竹石君は何度か後ろを振り返った。背中は見えました」と酒井監督は前向きに話した。
1~3区に相沢晃(3年)、西山和弥(2年)、山本修二(4年)の3本柱をつぎ込み、先行逃げ切り策を打ったが、青学大に先手を取られた。特に2区の西山は区間6位に沈んだ。「自分がダメな走りをしてしまった。実力不足でした。吉川があれだけ頑張ってくれて…。申し訳ない」と西山は声を詰まらせた。酒井監督は「この負けがまた西山を強くするはず」と奮起を期待した。
黄金時代を築く青学大を止められるのは、やはり、東洋大だけだ。全日本大学駅伝では3年ぶり、そして、箱根駅伝では5年ぶりの王座奪回を狙う。「全日本、箱根では勝ちたい」と酒井監督はきっぱりと話す。鉄紺の逆襲が始まった。