大坂なおみVを支えたもの…用具提供ヨネックス会長の選手ファーストな思い

スポーツ報知

◆テニス 全豪オープン第13日 ▽女子シングルス決勝 大坂なおみ2―1クビトバ(26日・メルボルン

 全豪オープンで大坂なおみ(21)=日清食品=が初優勝を飾った。快挙の裏側にはラケットのガットの変更など道具の進化と俊敏性、スピード、持久力の3つの要素を求めた厳しいトレーニングがあった。

 大坂が10歳だった2008年、米フロリダ州に住んでいた母・環(たまき)さんから、ヨネックス社の米山勉会長(62、当時は社長)のもとにサポートを要望する直筆の手紙が届いた。心を打たれた米山会長は米国の子会社に訪問を命じ、担当者が将来性豊かなプレーを見て用具提供が決まった。

 昨夏の全米オープンで初めて決勝に進出した直後、米山会長は関係者を通じて大坂の両親にメッセージを伝えていた。

 「日本では大変なことになっている。(帰国後は)あまり(イベントなどの)露出は入れない方がいいですよ。お嬢さんを守るのはあなたたちしかいないですから」

 大坂は日本で開催される東レ・パンパシフィック・オープン出場のため帰国予定だった。ヨネックスと過去に契約していた外国人選手が4大大会で優勝した直後、母国での祝勝会などに追われ、その後長く低迷した苦い記憶がよみがえった。

 「世界一になった選手には相手が研究を重ねてくる。そんな時に練習ができなければ、燃え尽き症候群になってしまう可能性もある」

 本来なら自社製品の大々的なPRをしたいところだが、帰国時のイベントには大坂を呼ばなかった。米山会長は今大会中、日本からテレビ越しに声援を送った。選手ファーストの思いが快挙につながった。(岩崎 敦)

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