大坂なおみ、賞金1位浮上もフルセットで敗れて連敗

◆WTAファイナル第4日▽1次リーグA組 ケルバー2(6―4、5―7、6―4)1大坂なおみ(24日、シンガポール室内競技場)
【24日=大和田佳世】1次リーグA組で世界ランク4位の大坂なおみ(21)=日清食品=は、同2位のアンゲリク・ケルバー(30)=ドイツ=にフルセットで敗れた。第1セットを落とし、第2セットも4―5と追い詰められたが3ゲーム連取で奪取。最終セットを接戦で落としたが出場給2万ドル(約220万円)を加算し、今季の獲得賞金で1位になった。26日の第3戦でキキ・ベルテンス(オランダ)と対戦する。
大坂はチャンスボールをバックハンドでネットに引っかけ、2時間30分の激闘で敗れた。敗れた初戦(22日)はポニーテールだった髪形を三つ編みに変え、珍しくハチマキを締めて気分を一新。粘り強く拾うケルバーに負けじと前後左右に走って返球し続けた。
しかし、わずかな差が勝負を分けた。第2セット4―5から3ゲームを連取して迎えた最終セット。第7ゲームで唯一許したブレイクのピンチを一発で取られてしまった。第8ゲームで2度のブレイクチャンスをしのがれ、押し切られた。左太もも裏を気にする場面もあった大坂は「彼女の方がプレーが安定していた」と悔やんだが、ケルバーも「ファイナルセットもどっちが取ってもおかしくない展開だったが、差はわずか1、2ポイントではなかったかと思う」と話す惜敗だった。
2連敗となったがレジェンドたちからの賛辞は止まらない。4大大会9勝のモニカ・セレシュ(米国)らから「驚き」と絶賛されたのに続き、この日会見した女子テニス協会(WTA)の創始者ビリー・ジーン・キング氏は「既に素晴らしい選手。重いボールを打てて頭脳、ハート、闘争心を備えている。日本も、米国も彼女を誇るべき」とたたえた。
賛辞にふさわしい奮闘で、出場給賞金2万ドルを上積みし今季の獲得賞金は637万3289ドル(約7億106万円)に到達。世界ランク1位のS・ハレプ(ルーマニア)を抜き1位になった。3月のツアー初優勝、9月の全米オープン制覇と駆け上がってきた1年。「世界のトップ選手と対戦するのが夢でやってきた。大会は楽しめてる」。このままでは終われない。