【柏】9季ぶりJ2降格…3発勝利も残留争う3チームともに勝利

スポーツ報知
勝利後、スタッフとスマートフォンで他会場の結果を確認する柏・鈴木(カメラ・石田 順平)

◆明治安田生命J1リーグ第33節 C大阪0―3柏(24日・ヤンマー)

 17位・柏の9シーズンぶり3度目のJ2降格が決まった。C大阪とアウェーで対戦し、日本代表MF伊東純也(25)の2アシストなどで3―0で勝利。だが、残留争いをしていた14位・湘南、15位・鳥栖、16位・名古屋がいずれも勝ったため、降格が決定。3チームが勝ち点40で並び、J2とのプレーオフに回る16位の決定は最終節に持ち越しとなった。前節2連覇を決めた川崎はF東京に2―0で快勝した。

 日本代表の伊東の2アシストなど、柏が敵地で3ゴールを挙げて快勝した。だが選手たちは表情を硬くした。他会場の結果を待つスタジアムは重苦しい雰囲気に。サポーター席へあいさつに向かう途中、J2降格の情報が入った。柏一筋で、3度目の降格に立ち会うことになったMF大谷は「自力残留の可能性を残せなかったことが全て。申し訳ない」と肩を落とした。

 迷走続きの1年だった。昨季4位でACL出場権を獲得。就任3年目の下平隆宏・元監督(46)は今季の目標に「ACL優勝、リーグ勝ち点60と60得点」と掲げた。だがACLはグループリーグ1勝1分け4敗で敗退。過密日程の疲労からリーグ戦も序盤からもたつき、終盤の失点が続いた。その展開をサポーターから“柏る”と揶揄(やゆ)されたこともあった。

 5月12日の川崎戦での敗戦翌日に下平監督が解任され、加藤望・前監督(49)が就任。それまでのボール保持を重視した戦術から、加藤体制では縦にボールを入れる戦い方に変更したが、伊東、FWクリスティアーノらへの依存が目立った。伊東は「まとまって戦えていなかった」と振り返った。

 9月15日の清水戦で敗れ、降格圏内の16位に転落。今夏に獲得したFWオルンガもスタメンに定着せず、昨季ベストイレブンの日本代表GK中村は2度の脳震とうで離脱。戦力が整わず、最後まで安定感を欠いた。

 残り2試合の窮地となった今月10日にコーチから昇格した岩瀬健監督(43)は初陣で降格の現実を突き付けられた。MF江坂は「チームを変えようとするのが遅かった」と唇をかんだ。2005年、09年の降格決定時は1年でJ1に復帰した。再び太陽が昇る日を待つしかない。(小又 風花)

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