スポーツによって生まれる感情や物語は心を動かす力があると考えています。自分が人生においてやりたいことの一つが「スポーツの価値をより多くの人に届け、心を豊かにする」ということ。その意味で自分が大好きなスポーツに関して見聞きしてきたことを記事にして、たくさんの方に読んでもらえるこの仕事はやりがいがあります。
どんな選手にもそれぞれに物語があります。一本のヒットを打つために選手たちは想像を超えるほどの熱量を持って準備しています。過程にある苦悩、努力など、日頃から選手を見ている番記者だからこそ書けることがたくさんあります。アスリートの日常や歴史的瞬間など誰もが立ち会えるわけではない場面を見られる環境にあるからこそ、結果だけを報じるのはもったいない。ホームランを打ったという結果だけの記事よりもホームランを打った選手のプロセスを伝えることで、一本のホームランの価値も人々に与えるものも多くなると思います。
記事を通して選手と同じように困難に直面する人、壁を超えようとしている人などが少しでも前向きになるかもしれない。スポーツの持つ可能性を信じ、日々、自分と、取材者と向き合っています。
若い時からチャレンジできる環境があります。私自身は入社1年目の10月に初めて一面を書く機会に恵まれました。23年からは巨人担当として日々の試合の原稿を書きつつ、選手のインタビューなども企画して掲載することも多々あります。取材の狙いや構成など自ら責任を持って考えることが求められるからこそ、成長できます。
昨年の12月には希望を聞いてもらい、巨人の秋広優人選手らが参加したオーストラリア・ウィンターリーグの取材に単身で行かせてくれました。他の会社の記者はもちろんいません。異国で貴重な経験を積む若武者たちの姿をじっくり取材できました。実績や年齢に関係なく挑戦する気持ちを後押ししてくれる会社だと改めて感じる機会にもなりました。
自分のやりたいことって何だろう。強みを生かせる仕事はどれだろう。そもそも自分の存在意義、強みって何なのか。とことん考え、悩み、行動すれば、おのずと道は開けてきます。就職活動では自問自答することが多くなると思いますが、その時間がきっと今後働いていく上での一つの指針にもなります。皆さんが情熱を持って取り組むことができる仕事に出会えることを願っています。