【報知杯FR 3歳牝馬番付】ヤマタケ&坂本記者が3歳牝馬クラシック戦線を占う

◆第53回・報知杯FR・G2(3月10日・芝1400メートル、阪神競馬場)
桜花賞(4月7日、阪神)トライアルの第53回報知杯フィリーズレビュー・G2(3着まで優先出走権)が10日、阪神競馬場で行われる。スポーツ報知競馬班は、3歳牝馬番付を発表。先週は2歳女王のダノンファンタジーが始動戦を完勝し、横綱の地位を固めた。今週末に、番付上位陣に割って入る新星が誕生するか。栗東のヤマタケ(山本武志)記者と美浦の坂本達洋記者が、3歳牝馬路線の行方を占った。
◇3歳牝馬番付
横 綱 ダノンファンタジー(栗東・中内田厩舎) 5戦4勝
大 関 クロノジェネシス(栗東・斉藤崇厩舎) 4戦3勝
関 脇 グランアレグリア(美浦・藤沢和厩舎) 3戦2勝
小 結 ビーチサンバ(栗東・友道厩舎) 4戦1勝
前頭1 アクアミラビリス(栗東・吉村厩舎) 3戦2勝
前頭2 フィリアプーラ(美浦・菊沢厩舎) 3戦2勝
前頭3 アウィルアウェイ(栗東・高野厩舎) 3戦2勝
前頭4 コントラチェック(美浦・藤沢和厩舎) 4戦2勝
前頭5 シェーングランツ(美浦・藤沢和厩舎) 5戦2勝
坂本(以下「坂」)「先週のチューリップ賞のダノンファンタジー、本当に強かったですね。直線で狭いシーンがあっても慌てず騒がず。着差以上の強さを感じました」
ヤマタケ(以下「ヤ」)「横綱にあんな競馬をされてはなぁ…。レース後の中内田調教師は『筋肉の張りはこれから良くなる』と笑顔で話していたように、今後の上積みも大きそう」
坂「クイーンCのクロノジェネシスも強い内容でしたね。年頭に牝馬戦線は混戦と話しましたが、現時点ではこの2頭が突き抜けた“2強”という印象です」
ヤ「牡馬のダノンキングリーのようなインパクトを持つ新興勢力が見当たらない一方、実績馬たちはしっかり結果を出した。上位と下位の差は大きく広がったな」
坂「ヤマタケさんも“2強”の見立て?」
ヤ「いや、俺のイチ押し、ビーチサンバはまだ見限れない。クイーンCは開催延期で2日延泊した関西馬には非常に不利な状況。2着に入ったことを評価したい。あとは本番までの成長力で逆転を信じるのみ!」
坂「その馬、好きですよねぇ。さて、今週は牝馬の本社杯、フィリーズレビューです。今年の桜花賞は賞金ボーダーが非常に高そうで、900万では出走がほぼ不可能。このトライアルは多くの馬が本番への“勝負駆け”と言えますね」
ヤ「ただ、桜花賞を見据えるという意味では、アウィルアウェイのレースぶりに尽きるんだよ。4か月ぶり、初の多頭数という条件でもねじ伏せることがあれば、壁の高い上位組に食い込めるだけの器だと思う」
坂「とはいえ、そんな堅いところに本命は打たないでしょ」
ヤ「鋭いね、坂本クン。プールヴィルが気になっている。ダノン、クロノ、ビーチが上位を占めた阪神JFは先行馬には展開不向きで、進路を切り替える場面がありながらも5着。この距離で3戦2勝、2着1回の実績も心強い」
坂「僕はホウオウカトリーヌ。阪神の内回りという舞台設定で、前走のフェアリーS2着のように器用に立ち回れる競馬センスの高さは武器になるし、平均点が非常に高い。あと、日曜は中山でもトライアルのアネモネSが行われますが…」
ヤ「俺はそれよりも来週のフラワーCに注目している。菜の花賞で最後は流しながらも1分33秒台で走ったコントラチェックと、昨年末に牡馬相手のエリカ賞を完勝したエールヴォア(栗東・橋口)の対戦は楽しみ。この2頭は勝ちっぷり次第で本番でも…、と思っている」
坂「いえいえ、今年の桜花賞は実力通りに堅くおさまります」
ヤ「…」
○…ホウオウカトリーヌは前走のフェアリーSで、中団から追い上げて頭差2着と健闘。これで5戦連続で連対中だが、さらに上昇ムードだ。「競馬がうまいです。動きも柔らかくていいですね。硬さのあった馬ですが、ずいぶん体が柔らかくなってきた。毛ヅヤもよくなりました」と栗田調教師の感触も上々のようだ。
○…プールヴィルは前走の紅梅S2着後、短期放牧を挟み、栗東・坂路での1週前追い切りでは54秒8―12秒0とシャープな伸び脚。「全体の時計は遅かったけど、しまいは伸びていたし、乗ったジョッキー(秋山)は『すごくいい』と言ってくれたから」と浅井助手は満足そうにうなずく。ここまで5戦ですべて掲示板(5着以内)の堅実派だけに、権利奪取へ意欲十分。
○…アウィルアウェイは2歳時にダリア賞を快勝し、京王杯2歳Sでも2着。牡馬相手に好走した実績は一枚上だが、今回は4か月ぶりの実戦というのが大きなカギ。ただ、先週の栗東・坂路では52秒2―12秒3と好時計を出している。「相変わらず動きますね。真っすぐに走れていた点もよかったと思います」と高野調教師。厩舎にとっては昨年のリバティハイツに続く、連覇がかかる一戦となる。