【報知杯弥生賞】ラストドラフト無傷3連勝へ、抜群の瞬発力見せた

◆報知杯弥生賞追い切り(27日・美浦トレセン)
皐月賞トライアル(3着まで優先出走権)の第56回報知杯弥生賞・G2(3月3日、中山)の追い切りが27日、東西トレセンで行われ、無傷3連勝を狙うラストドラフトが美浦・Pコースで大きく追走する形から1馬身先着する絶好の動きを見せた。
持ち味と進化。この2つが示されたラストドラフトの走りだった。鞍上の戸田調教師は、最後まで手綱を持ったまま。それでもゴール前は切れのあるフットワークで伸び、併せたアンヴェイルド(8歳1000万)の外から1馬身前に出た。新馬戦で上がり33秒1を刻み、「抜け出すのが素晴らしく速い馬」と戸田師が絶賛する瞬発力の片りんを見せた。
さらに評価したのは、精神面の落ち着きだ。ポリトラックコースの5ハロン地点で9馬身ほど後方を進む形から、3~4コーナーで差を詰めて直線に入った。「馬の後ろで、しっかり我慢できていた。京成杯の前はピリッとしすぎていた印象だったが、いい意味で気持ちに抜けた部分があり、学習している感じがする」。5ハロン65秒5―38秒3―12秒1。終始、リズム良く駆けていた。
2戦目での重賞挑戦となった京成杯は、2番手から最後の直線の手前で先頭に立つ正攻法の競馬で勝利を収めた。「レースに幅が出たのは大きい。新馬戦のように、負けてしまうかなという場面から差し切るのも醍醐(だいご)味かもしれないが、自分でポジションを取れて、自在に走れるのが本当に強い馬だから」とトレーナーは話す。
これまでデビュー3連勝で報知杯弥生賞を制した馬は、アグネスタキオン(01年)、ディープインパクト(05年)、サトノクラウン(15年)、マカヒキ(16年)。サトノクラウン以外の3頭は、春のクラシックを制している。「ここもジョッキーの指示に従って上手に立ち回ることができれば、自然と結果はついてくるし、次にもつながっていく」と戸田師。強い馬の理想型を追い求めた先に、栄光のゴールは待っている。(浜木 俊介)
<鞍上ルメールも手ごたえ「グッドチャンスだと思う」>
―ラストドラフトで新馬、京成杯を連勝中。
「新馬の前の追い切りに乗って、いい反応をしていたし、走りそうだと思っていた。だから、自信を持って新馬戦には臨んだ。いい馬だよ。2着のヒシイグアスはその後に2連勝(未勝利、若竹賞)したからね」
―初戦は中団から差して、京成杯は2番手からの抜け出しでした。
「強かったね。2番手から動いて行っても楽勝だった。まだ2戦だけど、レースを使って強くなっていると思う。クラシックもいけそう」
―引き続き中山の2000メートルです。
「センスがありそうだし、どこのポジションでも行ける。先週の中山の芝は硬かった。後ろからでは大変そうだから、いい位置を取った方が良さそう。行く馬もあまりいなさそうだしね。グッドチャンスだと思う」