【ジャパンC 坂本が見た】凱旋門賞5着馬カプリ、躍動感ある動き!前が粘り込む展開なら怖い存在

◆ジャパンC追い切り(22日・東京競馬場)
ジャパンC(25日、東京)に出走する14頭の枠順が22日、決まった。史上最少タイの2頭で臨む外国馬はそれぞれ東京競馬場で調整。アイルランドのカプリ、英国のサンダリングブルーの取材に当たった坂本達洋記者がコラム「見た」で、2頭の馬券対象としての可能性を探った。ジャパンCの馬券はきょう23日の14時から19時まで、一部ウインズで金曜日発売される。
毎年のことだが、ジャパンCは外国馬の取捨は悩ましい。06年のウィジャボード(3着)を最後に馬券に絡んでおらず、近年は苦戦続きだ。本命は3冠牝馬アーモンドアイで堅いと見ており、“ヒモ荒れ”が期待できる穴馬を求めて、東京競馬場で外国勢を直撃した。
まずは芝コース単走で最終追い切りを行ったカプリだ。世界の名手ムーアを背に単走馬なりで6ハロン81秒7―12秒2。大きなストライドで躍動感があり、状態の良さを感じた。「今年の凱旋門賞(5着)でも、一線級の馬とやってきたし、ここでも十分に戦える一流馬だと自負している」とムーア。昨年は愛ダービー、英セントレジャーでG1・2連勝と実績は十分だ。
前走の英チャンピオンSは2番手から伸びきれず4着に終わったが、鞍上は「凱旋門賞から(中1週と)間隔がなく、回復が十分でなかったのではないかと思う」と敗因を指摘する。オブライエン厩舎は昨年に続き4度目のJC挑戦。その昨年は10番人気だったアイダホが5着。クールモアの豊富な戦力から、日本に適性の高い馬を選んでの遠征だろう。好位から長く脚を使えるのが持ち味で、前が粘り込む展開なら怖い存在だ。
もう一頭のサンダリングブルーも不気味だ。4走前のヨークS・英G2(ヨーク競馬場・芝2050メートル)で重賞初制覇したばかりだが、JRA重賞5勝と日本を知る主戦のFベリーの進言もあり、そこからジャパンC参戦を意識。近2走は海外遠征で芝2400メートルを使うなど、ここを大目標に仕上げてきた。無欲の追い込みでヒモに押さえる手はある。(坂本 達洋)
<ムーア騎手、カプリは「レベル的にはやれる」>
―カプリとは過去4度コンビを組んで3勝を挙げている。この馬のセールスポイントは?
「気性的に素直でリラックスしているのが一番いいところ。2歳の時もいい成績を残して、3歳時も2つのG1を取って一流馬と証明できた。前走の英チャンピオンS(4着)は不利もあったが、復調してきている」
―日本馬の実力をどうみているか?
「外国馬の優勝は何年も遡らないといけないし、(外国の)一流馬を持ってきても、日本のレベルの高さを含めて勝つのは難しい。アーモンドアイ、サトノダイヤモンド、スワーヴリチャードとそうそうたるメンバーがいるが、レベル的にはやれると思う」
―ムーア騎手は13年にジェンティルドンナで制覇しているが、今年もレベルは高いと思うか。
「アーモンドアイは、本当にすごい1番人気になる馬だと思う。何頭か回避したのも、それもあるんじゃないかな。スワーヴリチャードは春にG1を勝っているし、サトノダイヤモンドも前走(京都大賞典)で勝っている。キセキもいますし、決してレベルは低くない相手だと思う」(聞き手・坂本 達洋)
<同じく外国馬サンダリングブルーも仕上がり順調>
サンダリングブルーは東京競馬場の芝コースをキャンターで1周して調整した。ラスト3ハロンは15~16秒のペースで力強い脚取りを見せて、23日に予定している最終追いに備えた。ムニュイジエ調教師は「今日はスピードではなく、馬場に慣らすのが目的で、非常に反応が良かった」と、順調な仕上がりに目を細めた。
5歳でようやく本格化を迎えて、今年7月のヨークSで重賞初制覇。3走前の英インターナショナルSでは、勝ったG1・4勝のロアリングライオン、2着がG1・2勝馬ポエッツワードと強力メンバーを相手に3着。指揮官は「まだG1は勝っていないが、十分に一線級とやれる力はある」と、不敵に笑った。