前巨人監督・高橋由伸氏が“スーツ初仕事”「分かりやすい解説を」スポーツ報知評論家に

スポーツ報知の野球評論家陣に来季、強力な“新戦力”が加わります! 今シーズン限りでユニホームを脱いだ前巨人監督・高橋由伸氏(43)、同ヘッド兼バッテリーコーチ・村田真一氏(55)、同2軍監督・川相昌弘氏(54)がこのほど、東京・港区の報知新聞社を訪れ、専属評論家契約を結びました。2月1日のキャンプインから巨人を中心に各球団を視察。自身の経験を生かした鋭い分析、分かりやすい解説を読者の皆さんにお届けします。
1998年に慶大からドラフト1位(当時は逆指名制度)で巨人に入団した由伸氏。それから20年。現役引退と同時に監督となったため、今回、初めてユニホームを脱ぐことになった。
「小学4年から野球を始め、中学、高校(神奈川・桐蔭学園)、それに大学と常にユニホームを着てきましたから、20年どころではありませんね(笑い)。今はオフシーズンですから違和感がありませんが、やはりキャンプインする2月、そして開幕の頃になったら、違った感覚になるかもしれませんね」
当然、評論家は初体験。しかし、由伸氏の頭の中には、しっかりと活動の展望が描かれている。
「これまで野球一筋でしたから、さまざまなジャンルのスポーツを見てみたい。野球もプロだけでなく、高校、大学野球まで。スポーツ以外にも、いろいろなものに接して、何か一つでも吸収できたらいいな、と思っています」
まずは高校野球。母校の桐蔭学園高が今秋の関東大会で優勝し、センバツ大会出場が確実視されている。実に16年ぶりのセンバツ。夏も99年以来、甲子園から遠ざかっている。
「片桐(健一)監督は私が1年生の時の3年生。桐蔭は長い間、低迷していましたから、本当に大変だったと思います。出場が決まったら、ぜひ甲子園に行って、母校の試合を見たいですね」
来年9月20日からはラグビーW杯が日本で開催される。「なかなか他の競技を見ることがありませんでしたから、楽しみにしています。野球とは違うフルコンタクトのスポーツの醍醐(だいご)味を生で見ることができる、絶好の機会ですから」と開幕を心待ちにしている。
サッカーではJリーグ・神戸のイニエスタのプレーにも興味が湧いており、大相撲やボクシング、足を運びたい競技はたくさんあるという。そして“本職”であるプロ野球―。
「現役時代、巨人以外のチームは知りません。だから、キャンプではどんな練習をこなし、また監督、コーチはどんな指導をしているのかなど、じっくりと勉強していきたいと思っています。そして、シーズンに入ったら、読者の皆さんに分かりやすい解説をお届けできるよう、精いっぱい頑張っていきたいと思います」
現役時代、天才的なバッティングでファンを魅了した男が、未知のフィールドへ足を踏み出すことを楽しみにしている。
◆高橋 由伸(たかはし・よしのぶ)1975年4月3日、千葉県生まれ。43歳。神奈川・桐蔭学園高、慶大を経て97年、巨人を逆指名しドラフト1位で入団。1年目からレギュラーとして活躍し99、2007年にベストナイン。98年から6年連続を含むゴールデン・グラブ賞7度。04年アテネ五輪出場。15年は選手兼任打撃コーチ、16~18年は巨人第18代監督。通算1819試合、1753安打、321本塁打、986打点。打率2割9分1厘。右投左打。
◆温かく時に厳しく
村田氏は2004、05年にスポーツ報知で評論家を務めていた。14年ぶりの復帰となる。
「前回は宮崎、沖縄で12球団全てのキャンプを見て回るなど、本当に勉強になりました。あの時は企画として各球団のイチ押し投手の球を僕が受ける…なんていうむちゃな企画もやりました(笑い)。真っすぐだけなら何とかなったけど、変化球は無理だったかな。危ないからといって、丁重に断られた球団もありました(笑い)。今回はあそこまではできないけど、新鮮な気持ちで野球を見させてもらいます」
原監督にも一目置かれている親分肌の村田氏。巨人戦では温かくも、時に厳しい評論に期待だ。
由伸氏を上回る、35年にもわたるユニホーム生活に別れを告げた“バントの名手”川相氏が、スポーツ報知で初の評論家に挑む。
「現役引退後も巨人、中日でヘッドコーチや2、3軍の監督を務めさせていただきました。その経験を今度は評論家活動に生かしたいと思っています。これまではスーツ姿でグラウンドに行くことはなかったですから、ちょっと不思議な感覚を抱くかもしれませんが、私なりの視点で、野球の奥深さを感じてもらえるような評論をしていきたいですね」
川相氏はこう決意表明。得意?のダジャレを交えての評論にも意欲を見せている。
◆村田 真一(むらた・しんいち)1963年12月5日、兵庫県生まれ。55歳。兵庫・滝川高から81年ドラフト5位で巨人入団。90年に正捕手として初のベストナイン。桑田、斎藤、槙原ら強力投手陣を支え、2001年引退。通算1134試合、673安打、98本塁打、367打点、打率2割3分4厘。。引退後は巨人コーチを歴任。今季は1軍ヘッド兼バッテリーコーチ。右投右打。
◆川相 昌弘(かわい・まさひろ)1964年9月27日、岡山市生まれ。54歳。岡山南高から82年のドラフト4位で投手として巨人入団後、野手に転向して遊撃手として活躍。2004~06年は中日でプレー。通算1909試合、1199安打、43本塁打、322打点、打率2割6分6厘。通算533犠打は世界記録。ゴールデン・グラブ賞6度。引退後は中日のコーチ、2軍監督、巨人の2軍監督、1軍ヘッドコーチなどを歴任。右投右打。