【日本ハム】恐怖の大王、8戦連続安打 打率6割超

◆オープン戦 巨人3―2日本ハム(24日・那覇)
日本ハムの王柏融(ワン・ボーロン)外野手(25)=台湾・ラミゴ=が24日、巨人とのオープン戦(那覇)に「4番・左翼」で先発出場。3回2死三塁の第2打席で、巨人先発・田口の内角直球を右前へと運ぶ適時打を放ち、初実戦からの連続安打を8試合に伸ばした。この日でキャンプ中の実戦出場は終えたが、全8試合で18打数11安打の打率6割1分1厘。台湾の至宝のバットは勢いを増す一方だ。
王がまたも結果を残した。両チーム無得点の3回2死三塁。左のエース候補・田口に対し、1ストライクからの2球目、内角に投じられた139キロ直球を狙いにいった。少し詰まったが、振りきった分だけ打球は伸びて、右翼の前にぽとりと落ちた。初実戦からの連続安打を8に伸ばす適時打を放ち「初めて対戦する投手なので、感覚やタイミングを取ることを大事にした」と振り返った。
試合前には、うれしい出来事もあった。台湾出身の先輩である巨人・陽と対面した。練習中だったため、軽くあいさつを交わした程度だったが、試合にはそろって出場。台湾のスターとして有名な先輩と“共演”を果たし、「日本で初めて台湾の選手と対戦できて、すごく興奮した」と声を弾ませた。
この日でキャンプ中の実戦出場は終了。全8試合で18打数で1本塁打を含む11安打の打率6割1分1厘と圧倒的な成績を残し、台湾球界で2度の打率4割を記録した実力が本物であると証明した。大きな期待を込めて「4番」で起用した栗山監督も「詰まったけど、打ち方はいいし。しっかりと結果を出してくれている」とたたえた。
今後は、3月2日のDeNAとのオープン戦(札幌D)以降の出場に備えて調整を続けていく。王は「まだ1か月ある。開幕に合わせてやっていきたい」と着実に状態を上げていくことを予告した。台湾が生んだ「大王」から目が離せなくなってきた。(小島 和之)