【楽天】由規、復活手応え!カーブ解禁「日に日に良くなってます」

右肩痛からの復活を目指す仙台育英高出身の楽天・由規投手(29)が久米島キャンプ第2クール2日目の7日、キャンプで初めてカーブを“解禁”した。捕手を立たせて平地でストレートを8球、カーブを4球、力強い投球を披露した。右腕は、今月中にもブルペン入りする可能性を示唆。カムバックに向けた調整は順調に進んでいる。
由規が、復活に向けて確かな一歩を刻んだ。平地での投球練習の6球目だった。力強いストレートを投げた後、今キャンプで初めてカーブを披露。感覚を確かめるように計4球、曲がりの大きなカーブを投げ込んだ。
合計12球投じたうちのたった4球だが、由規にとっては意味のある4球だ。昨年6月に右肩を負傷し、キャッチボールを再開できたのは、同11月。フォームを確認しながら慎重に調整を続けてきた中、変化球を“解禁”したのは状態が上がっている証拠と言える。
第1クールから再開した遠投の距離は最初は約50メートルだったが、この日は投球練習再開後、最長となる約90メートルまで延びた。順調な回復ぶりをうかがわせた右腕は「日に日に良くなってます。自分でも納得いく球も投げられているし、後は細かい部分だと思う」とうなずいた。
ヤクルト時代の16年以来、3年ぶりに育成選手として迎えた春季キャンプ。まずは支配下登録を目指す立場だが、首脳陣は長い目で見守る考えだ。小山伸一郎2軍投手コーチ(40)は「目標は持たせずに、肩の状態と相談しながら」と“安全第一”での調整を続けさせる方針を示唆。この日、2軍を視察した平石洋介監督(38)は「しっかりリハビリすれば(1軍で)投げられる。まずはそこ(リハビリ)をしっかりすること」と語った。
右腕は今後、さらに球数を増やし、今月中のブルペン入りを目指す考え。「(マウンドの)傾斜で投げられるようになったら、色んな課題が見えてくる。第2クールに入っても、色んな課題が出てきているので」。焦らずにゆっくりと。だが確実に復帰への階段を由規は上がっている。(高橋 宏磁)
◆下半身主導へ逆傾斜で投球
〇…由規はキャッチボール前、跳び箱などで使用する踏み切り板を使用してネットスローを行う。投手はマウンドの傾斜を利用して投げるのが普通だが、傾斜の高い方に足を踏み込んで、投球練習を行っている。関場大輔トレーナー(46)は「逆傾斜を使うことで、体重が乗りやすくなる。上体の力だけで投げないよう、基本的なところから見直しています」と説明。下半身主導のフォームを身に着けるため、練習にも工夫をこらしている。