【中日】引退登板の岩瀬、有終の福留K斬り「遠慮してくれたのかな」

スポーツ報知
現役最終登板を終えた岩瀬は、中日ナインや阪神・藤川、高橋聡らによって胴上げされた

◆中日2―3阪神=延長11回(13日・ナゴヤドーム)

 中日・岩瀬仁紀投手(43)がプロ通算1002試合目の登板で20年間の現役生活に別れを告げた。

 1点リードの9回1死一塁。この回から登板した中日・佐藤の元へ、朝倉投手コーチが駆け寄る。集まった内野手、捕手に「ゲッツーは取らないでください」と懇願した。次の投手にセーブを“プレゼント”しようというのが狙いだった。

 しかし佐藤は次打者・大山の左前打や味方の失策などで1点を奪われ、同点の2死三塁で降板した。残念ながらセーブのつく場面ではなくなったが、ここで「ピッチャー、佐藤に代わりまして、岩瀬」のアナウンス。ドームのボルテージは最高潮。岩瀬が1002試合目のマウンドに立った。阪神ベンチは代打に中日時代のドラフト同期生、福留を送る演出を見せた。

 初球の直球は見逃し。2球目、3球目と伝家の宝刀・スライダーで親友のバットに空を切らせた。「僕のところで出てくると(試合前から)言ってたんで、最後は思いっきり投げました。もしかしたら遠慮してくれたんじゃないかな」と通算841個目の奪三振を振り返った。

 この日のために、12日までの数日間、チーム練習には参加せず、鳥取市のトレーニング研究施設「ワールドウィング」に出向いて最終調整していた。「原点である鳥取で始まって鳥取で終わったという感じですね」と、アマ時代から足しげく通った“聖地”にも感謝した。

 セレモニーの最後には、ナインと阪神・藤川、福留、高橋の手で8回、宙を舞った背番号13。通算59勝51敗、防御率2・31、プロ野球歴代最多407セーブの偉大な記録を残し、ユニホームを脱いだ。

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