金足農 150キロ右腕・吉田 真っ向勝負宣言「初球は自信のある直球で」

第100回全国高校野球選手権記念大会は、第4日(8日)1回戦で金足農(秋田)が東北勢の先陣を切って鹿児島実(鹿児島)と対戦する。最速150キロ右腕の吉田輝星(こうせい、3年)は7日、大阪・豊中市内で最終調整した。今大会から使用するグラブの中に「シャキーン」と刺しゅう。侍が刀を抜く音をイメージしており、持ち前の剛速球で名門校をぶった切る。
甲子園を沸かせる準備が整った。鹿児島実との初戦を翌日に控え、吉田はブルペンで約40球の最終調整。相手打線に左打者が6人いることを想定し、バッターボックスに選手を立たせて内角を攻めるなど、実戦さながらの強気な投球を見せた。「県大会より良い状態で試合を迎えられる。150キロ以上を意識して投げたい。初球は自信のある直球で」と予告した。
サムライ魂で立ち向かう。今大会から使用する新しいグラブ。手を入れる部分には「シャキーン」の5文字を刺しゅうした。「侍が刀を抜くときの音です。(音が)好きなので」と笑った。最速150キロの剛速球に加えツーシームなど多彩な変化球も持つ秋田の剛腕。県大会の初戦、秋田北鷹戦(2―0)での16個を筆頭に、5試合で57個の三振を奪った。
対する鹿児島実は三振が県大会6試合でわずかに8個。出場56チームの中で3番目に少なく選球眼には優れているだけに「甲子園の常連校だけあって、スキがないし、気を抜いたら打たれる。低めとインコースを意識して投げていきたい」。強気な攻めの投球で相手をぶった切る考えだ。
11年ぶりの甲子園。チームは準々決勝に進んだ1995年大会を最後に甲子園での白星から遠ざかる。それでも吉田は「負ける気はない。甲子園で優勝するのが目標だし、常に自分たちの全力を出していきたい」と言い切った。剛速球という“伝家の宝刀”を振り続け、その右腕で金足農を栄光に導く。(遠藤 洋之)