【北大阪】大阪桐蔭V2!85年“KKのPL”超えた決勝最多23点

スポーツ報知
最後の飛球を好捕した藤原〈8〉をマウンドに集まって迎える大阪桐蔭ナイン(カメラ・石田 順平)

◆第100回全国高校野球選手権記念北大阪大会 ▽決勝 大阪桐蔭23―2大院大高(30日・大阪シティ信用金庫スタジアム)

 第100回記念大会(8月5日開幕)に出場する56校が出そろった。北大阪大会は、大阪桐蔭が2年連続10度目の優勝を飾った。今秋ドラフト1位候補の藤原恭大外野手(3年)が、高校通算29号の2ランを含む6安打6打点の大暴れで、チームも26安打。桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」が3年生だった1985年のPL学園などが記録した17得点を超える、夏の同大会決勝最多の23得点を挙げた。甲子園では史上初となる2度目の春夏連覇に挑戦する。組み合わせ抽選は、8月2日午後4時から行われる。

 最後は超美技で締めた。9回2死、中堅フェンス際への大飛球を大阪桐蔭の藤原が背走し、滑り込みながらウィニングボールをつかんだ。「後ろ向きで捕るのは得意」。“ザ・キャッチ”でフィナーレを飾り、マウンド上にできた歓喜の輪に最後に飛び込んだ。

 85年に桑田、清原を擁し、歴代最強とも形容されるPL学園の17得点を上回る大阪大会決勝での23点猛打ショー。先導したのが4番の藤原だ。6回2死二塁、右翼席へ高校通算29号2ラン。三塁打が出ればサイクル安打の6安打6打点に「(バットの)先っぽだったけど、風があったので、いってくれるだろうと」と胸を張った。この回は6連続長打を含む11連打。打者18人、13安打で13得点。“二刀流”の根尾昂らプロ注目選手が7人並ぶ完全無欠の軍団が、先発全員の26安打22打点で史上初となる2度目の春夏連覇への挑戦権を得た。

 「決勝男」と呼ぶにふさわしい。藤原は、昨春はセンバツ初の初回表先頭打者弾を含む1試合2本塁打。昨夏の大阪大会でも決勝弾を放った。今大会は6試合で計14安打15打点2本塁打の打率6割3分6厘。7球団のスカウトが視察し、阪神の和田テクニカルアドバイザーは「打ち損じが少ない。技術レベルが高い」と絶賛。それでも本人は「調子はあまり良くない。合格点はあげられない」と自己分析するから、潜在能力は計り知れない。

 入学前は、母・道子さん(42)の「1回は甲子園に連れていってな~」というお願いに「1回でいいん?」と答えた。2年春から4季連続出場。「一番、桐蔭に入ってよかったのは、根尾がいたから」と、類いまれな才能を持つ者同士で高め合ってきた。「まだまだ、こんなもんじゃない。上位でプロに行って、トリプルスリーとか、みんなの印象に残る選手になりたい」と藤原。右膝痛に苦しんだセンバツから一転、万全の状態で甲子園に乗り込む。

 スター選手を多数輩出してきた全国屈指の強豪においても、最強の呼び声が高い。「これ以上の打撃をして、春夏連覇を勝ち取りたい」と藤原。100回目の夏、大阪桐蔭が、あのPL学園以上の衝撃を聖地に刻む。(伊井 亮一)

野球

×