【三重】2年前まで10年連続初戦敗退の白山、“雑草魂”でつかんだ初甲子園

スポーツ報知

◆第100回全国高校野球選手権記念三重大会▽決勝 白山8―2松阪商(25日・霞ケ浦)

 三重では、数年前まで部員不足に悩まされていた無名の県立校・白山(はくさん)が、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。    ミラクル下克上だ。ノーシードで県立校の白山が、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。初回に2点を先制。5回に一気に6点を奪った。背番号5の先発・岩田剛知が要所を締めて8回2失点。9回は「1」の山本朔矢が抑え、逃げ切った。

 1960年創部で、79年に8強入りした。だが、近年は低迷。07年から10年連続で初戦で敗退していた。13年秋と14年春は部員不足で連合チームを組み、公式戦に参加したほどだった。

 だが13年4月に就任した東拓司監督(40)のもと、着々と力を付けた。当時は部員5人だったが、指揮官が率先してグラウンド整備に取り組み、野球のうまい下手にかかわらず声を掛け、部員増を図った。東監督は大体大時代、巨人・上原浩治投手とチームメートで外野手。上原バリの“雑草魂”を胸に聖地を目指した。

 特に打撃力の向上をテーマに設定し、昨夏は11年ぶりに初戦突破して2勝を挙げる躍進。今年は3回戦の強敵・菰野戦で8回に追いつかれ、指揮官も「壁があるのかな」との考えが脳裏をよぎったが、9回に伊藤尚がプロ注目の田中法彦投手(3年)から勝ち越しソロ。準々決勝、準決勝も1点差を競り勝ち、勢いを加速させ、決勝で古豪・松阪商を圧倒した。

 家庭科教諭の川本牧子部長もナインをサポート。過疎地の雑草軍団が三重の頂点をつかんだ。甲子園に出場できるとは思っていなかったという辻宏樹主将。「夢のような舞台。自分たちの持てる力を全部出し切りたい」と大暴れを誓った。

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